タイの瓦懇志


日本の寺院に瓦懇志というものがある。本堂など葺き替えられる瓦の裏に自分の名前や願い事(浄土真宗は願い事は書かない)を書いてお布施をする行為。西本願寺でも先日の親鸞聖人750回大遠忌の大屋根修理でも大規模に行われた。現在も知恩院などで行われている。少々お高いが二百年くらいに一度しか縁がないのでプレミアムな布施行為である。

タイにも同じ瓦懇志があり各寺院で頻繁に行われいる。一枚100バーツ以下に設定されていることが多く(金額が決まっていないお寺もある)日本瓦の半分くらいの大きさの素焼きの瓦にマジックなどで自分で名前や願い事を書き込む。そのほか金属の塊に書き込んでそれは鉄筋などに使うものがあったり多様であるが布施の使用法が非常にわかりやすく金額的にも手が出しやすくいいと思う。

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瓦懇志。書き込んだら左側に置く。布施は右の賽銭箱

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建設用の金属の塊も布施できる。


シッキム山頂の聖地


インドのシッキム首都ガントクから車で狭い山道を3、4時間のナンチというところにチャーダムというヒンドゥー教の総合宗教施設がある。非常に広大でインド各地のヒンドゥー教の聖地の出張所がありお参りができる。各寺院ともその地方のお寺の建築様式で作られておりそこにはお坊さんもいて加持祈祷等もしてくれる。インド人のほとんどを占めるヒンドゥー教徒は信仰心が篤いのでの一緒に行った友人のインド人はうれしくてうれしくてしょうがないようで右往左往していた。山の頂上にあるので平たく言えば「天国」的な感覚があり、街の喧騒もなく施設自体は最近造られた新しいものだが、異教徒の私でも聖地感が感じられた。

シッキムというところは山間部で国道でも日本の町道クラスの狭い道しかないし崖崩れも頻繁に起こる。狭すぎてすれ違いも難しい狭いワインディングロードなのだが、思えばこの広大な宗教施設を作るためにはそれだけの物資をこの道を通り運ばなければいけない。比叡山や高野山に行った時も思ったが平地に作るのとはわけが違う。同様の聖地は世界にいろいろとあるが、それぞれ信仰心の深さを感じる。

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霧の中からシバ神。

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高さは30mくらい

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シバ神は最も人気のある神様

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施設はこのような感じ。幾つか見える三角屋根はそれぞれ各地の聖地別院。


タイ寺院のおみくじ


タイのお寺には日本のおみくじによく似たものが置かれている。箱の中に番号の書かれた棒がたくさんは入っており、それをじゃかじゃか振って一本出し、そこに書かれた番号を見てその番号書かれたおみくじ紙をもらうあれ。

日本とやり方と少し違うのは番号棒の出し方。タイの場合仏様に向かい膝をついた半座りになり、合掌する姿勢で拝みながら両手で番号箱をじゃかじゃか振って偶然一本飛びたしてきたものの番号を見る。これがなかなかコツをつかむのが難しい。はじめは全く飛び出さないか何本も出てしまったりする。感覚としては仏様に1本選んでもらって出てくるように振る感じ。

番号がわかれば後は日本と同じ、堂内の横や後ろにあるおみくじ紙が入った箱から番号の紙を各自でもらうだけ。特に担当者は誰もいないのでお布施は賽銭箱へ。日本のように値段は決まっていない。

タイ語、英語、漢字で書かれているので日本人にもわかりやすい。

ちなみに浄土真宗は「・・現世利益やまじないを行わず、占いなどの迷信にたよらない」という宗教なので、門徒はあくまでタイ仏教の参考としてください。

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仏前に置かれたおみくじ

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これを降って一本出す、出すというより仏様に出していただくというニュアンス。

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おみくじ箱。番号順に入っているのでわかりやすい。下は布施本や布施VCD。多くは日本ではあまり使われないVCD。ビデオCD。東南アジアはVCDが多い。

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おみくじはこんなかんじ


センセーブ運河


バンコクでバンコクらしい乗り物は3輪タクシーのトゥクトゥクであるが、もう少しマニアックな水上バスというのがあるバンコクを東西にわたって流れるセンセーブ運河を走るボートで渋滞の多いバンコクでは非常に重宝する。

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センセーブ運河水上バス

10分おきくらいに頻繁にくる水上バスが港に着くと着岸の一瞬に飛び乗ったり飛び降りる。本当に数秒しか着岸しないので気をつけないと大変なことになる。乗降口もなく船に直接乗り込むため、たくさんの荷物のある人や小さい子供や高齢者は使えない気がする。料金は車掌が集金に来るので行き先を言って支払う。行き先がわからない(読めない)時も20バーツを渡せば大概17バーツ切符と3バーツのお釣りがくる。全線乗っても19バーツなので、観光客からはこんなだいたいな感じで徴収しているようだ。途中の中間駅のプラトゥナーム市場の港で西側線と東側線で乗り換えがあるが人の流れを見ていれば非常にわかりやすく誰でも乗り換えれる。全線乗っても片道1時間なので川景色を見ながら適当な場所で降りるのも楽しい、特に東側に行けばお寺に隣接する港も幾つかあるので船旅とローカル寺院の旅が楽しめる。ただし上下線がすれ違った時は波をかぶることも乗降が危ないのでそれなりに気をつけて。また先日の爆発事故は驚いたところだ。ただ山ほどある水上バスの一台だからそれほど神経質になる必要はないと思う。

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結構な人数の人が乗っている

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プラトゥナーム周辺の船着場

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港はこんな感じ

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17バーツ切符。乗り換えの場合これを見せれば少し破ってくれて使用済みにしてくれる。

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救命胴衣。数が全くたりない。持ち方をよく見ると誰にも渡すまじ!にも見れる・・・。

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波よけのシートは端に座った人の役目。これをしないと本当に濡れる。

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スクンビット周辺でみたインド大塔チックな寺院、この寺院も港に隣接する。

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自動車のような運転席。船の先端にある。

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センセーブ運河2016年版現在運行地図

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センセーブ運河2016年現在版運賃表


自動賽銭箱


タイ人は自分の生まれた曜日を大切にしており、お寺にはその曜日ごとの仏様が安置されみんな自分の曜日仏を拝む。日曜仏から始まり、水曜のみ昼と夜の2体になり最後が土曜ではなくもう一つ曜日に関係無い仏様がプラスされ9仏がある。インドのバラモンの占星術の9神が起源とのこと。

タイにいけばどこのお寺でも見られるが、バンコク郊外のとある大規模寺院に賽銭を入れたら自動にお坊さんのメッセージとお経が流れるものがあった。もちろんお布施だから1バーツであろうが10バーツであろうが音が出る。

昔元お坊さんのガイドとこの曜日仏の話になり何曜日に生まれましたかとの質問に月曜ですと即答すると、それはタイのお寺に来るにあたってネットなどで調べたものでしょう?と言われた。その通りで日本人は何曜日生まれかはしらない。

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日曜から並ぶそれぞれの仏様

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子供見習い僧型もある。子供のお経が流れる。


エーク ミニッツ!


インドでは「ちょっと待って」というとき「エーク ミニッツ」ということが多い。「エーク」とはヒンディ語で「1」を表す。「ミニッツ」は英語の「分」つまり「1分ほど待って」

インドは時間の感覚が日本人とは全く違う。この言葉を信じて本当に1分しか待てなかったらインドを楽しむことはできない。本当に時間を計ったことはないが感覚的には10分ほど待たされる。もうすこし長い「もうちょっと待って」という言葉は「パンチ ミニッツ」。「パンチ」は「5」「5分ほど待って」であるが実際には2、30分ほどか。日本人とは時間の感覚が全く違う。

時間の感覚がこんな感じなので列車も飛行機も普通に遅れる。列車なんかは2、3時間遅れても平気だし、飛行機ですら数十分普通に遅れて出発する。インド人と旅行した時は朝9時集合が昼になったこともあった。もちろん彼らは二日酔いでも病気でもなかった。

ブッダガヤ駐在中に従業員の見るTVを見ても、正午のニュース的なものもその時間ぐらいにダラダラ始まる感じでキッチリ感はなかった。

インドを旅するあるいは生活する場合はこの時間の感覚は必修である。

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時間通りに来ないインドの列車

 


インド食器(指)考察


先日TVで海上自衛隊の金曜カレーを艦内でフォークを使い食べているのを見た。わたしは勝手に有事の際は武器に使用セヨ!という意気込みであえてフォークを使っているのかなあといったら、連れ合いが爆笑し食感が良くなるからだと教えてくれた。試すと確かに金属臭?感が減っておいしい。同じようなもので味噌汁を金属スプーンでいただくとまったく違う食感になることを思い出した。ちなみに正解はカレーはスープではないからフォークだそうだ。

さてインド文化圏のアジアの国は指を使って食事をする。もちろん外国人の来る店や上級店はフォークもスプーンも出ることも多いがローカル色が高くなるほど置いていない店もあるし、実際ほとんどのインド人は指を使って食べる。インド人に聞くと誰が使ったわからないスプーンなど口に入れるのはかなり抵抗があるようで、だいたい食器自体綺麗には洗われてはいない。インド料理というのはそれ自体が手の方が食べやすくできている。タンドリーチキンなどはその典型でフォークとナイフだけで食べるのは至難の技である。

手で食べる場合、基本的には親指、人差し指、中指を使いカレーとライスなどは丸めるようにして人差し指と中指にそれを乗せて親指で押し出すようにして口に入れる。チャパティー(平たく言えばナンの庶民版)はこの3本指でちぎってカレーをつけて食べる。また指(手)で食べた方が料理の温度、柔らかさなど口に入れる前からいろいろ堪能でき、しかもスプーンの金属臭がなくおいしい。

麺料理に目がない個人的見解で少々脱線した話だがブッダガヤで各国の法事に招かれたときに出る法事後のお斎(食事)で時々、焼きそば(チョウメン)が出た時、それだけはいつも手で食べるインド人僧侶はフォークを使っていた。確かにめん類だけは手では食べにくい。(特にスープ麺系(ラーメン)などは手で食べることは開発段階から考えられていない)インド文化圏で麺文化が広がらなかったのはこういったことも関係あるのだろうか。

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良くあるローカルレストランでの夕食。フォークを使うのは日本人のみインド人は素手でいただいているのがわかる。

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外国人団体旅行での夕食。英国式でテーブルセッティングもちゃんして給仕もつく。


ガソリン


産油国以外のアジアでのガソリン価格は日本とあまり変わらない。国によっては日本よりも高い時がある。リッター100円としても日本の金銭感覚からいえばかなり高い。そうした理由からアジアのタクシーは満タンにすることは稀でいつもエンプティー状態のタクシーが多い。客を乗せて最初にガソリンを入れて目的地に向かうこともあり、いきなりガソリンスタンドに行かれて先払いしてくれというドライバーもいて初めはびっくりする。

一般のガソリンスタンドは日本と同じ施設であるが、オートバイなどはガソリンスタンドで入れるより雑貨屋で売られている1リッターのコーラなどの瓶に入れているものを買う。ガソリンスタンドより少し割高だが売っている雑貨店が多いので便利である。

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タイでバイクにガソリンを入れてもらう時はこんな感じ

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電気仏具


海外の中華系の仏具屋に行くと独特の節回しで念仏がエンドレスで流れる携帯再生機や電気ロウソクに再生機が組み込まれ幾つかの種類の念仏などが流せる仏具が売られている。タイでは大抵中華系仏具店に販売され、台湾や香港などの寺院に行けば無料でパンフレットなどと共にいただける。(もちろん布施は忘れずに)日本にも般若心経が流れるものがあるが再生時間が長いし浄土真宗や日蓮宗系は使えない。シンプルに念仏をエンドレスという発想はいいと思った。

似たようなものにイスラム圏には目覚ましの音がアザーン(コーラン)というものもあり、友人が西本願寺の布教用にいろんなグッズを制作する部署に、私たち本願寺も目覚まし時計音に仏教音楽を流すものを作ったらどうかと意見具申したがその場で却下されたという。いい考えと思うのであるが。

2022年、浄土真宗のお経が流れるお坊さん人形も売られている。

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ロウソクが光り(本当に火がついているように見える!)お念仏なども流れる

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右のスイッチで選曲、左のダイヤルがボリュウム。南無阿弥陀仏、南無観世音菩薩、チベット称名などが流れる

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台湾でいただいた念仏再生機

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非売品ですよ!と。

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アザーンの流れる時計。意味はわからないが何種類も流れる。


ジェティアン村の今


昨年からこの時期にインドの友人新聞記者から案内が届く、もちろん忙しい時期だからインドにはいけないが、高知県仏教青年会が仏像復興をしているインドのジェティアンがすごいことになっている。

昨年より12月の終わりに世界各国から千人以上の仏教徒が集まりジェティアンからラジギール(南無阿弥陀仏が開かれた聖地のある大昔の首都)までお釈迦様が実際に歩いた十数キロを歩くという「ダンマ・ウォーク」法会を行っている。今年も行われ大事業になっている。友人新聞記者からその記事が送られてきたので英文だが翻訳エンジンなどにかけてみてほしい。記事は下のリンク先をクリック。

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2015年の案内状

 

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