インド食器(指)考察


先日TVで海上自衛隊の金曜カレーを艦内でフォークを使い食べているのを見た。わたしは勝手に有事の際は武器に使用セヨ!という意気込みであえてフォークを使っているのかなあといったら、連れ合いが爆笑し食感が良くなるからだと教えてくれた。試すと確かに金属臭?感が減っておいしい。同じようなもので味噌汁を金属スプーンでいただくとまったく違う食感になることを思い出した。ちなみに正解はカレーはスープではないからフォークだそうだ。

さてインド文化圏のアジアの国は指を使って食事をする。もちろん外国人の来る店や上級店はフォークもスプーンも出ることも多いがローカル色が高くなるほど置いていない店もあるし、実際ほとんどのインド人は指を使って食べる。インド人に聞くと誰が使ったわからないスプーンなど口に入れるのはかなり抵抗があるようで、だいたい食器自体綺麗には洗われてはいない。インド料理というのはそれ自体が手の方が食べやすくできている。タンドリーチキンなどはその典型でフォークとナイフだけで食べるのは至難の技である。

手で食べる場合、基本的には親指、人差し指、中指を使いカレーとライスなどは丸めるようにして人差し指と中指にそれを乗せて親指で押し出すようにして口に入れる。チャパティー(平たく言えばナンの庶民版)はこの3本指でちぎってカレーをつけて食べる。また指(手)で食べた方が料理の温度、柔らかさなど口に入れる前からいろいろ堪能でき、しかもスプーンの金属臭がなくおいしい。

麺料理に目がない個人的見解で少々脱線した話だがブッダガヤで各国の法事に招かれたときに出る法事後のお斎(食事)で時々、焼きそば(チョウメン)が出た時、それだけはいつも手で食べるインド人僧侶はフォークを使っていた。確かにめん類だけは手では食べにくい。(特にスープ麺系(ラーメン)などは手で食べることは開発段階から考えられていない)インド文化圏で麺文化が広がらなかったのはこういったことも関係あるのだろうか。

IMG_2006

良くあるローカルレストランでの夕食。フォークを使うのは日本人のみインド人は素手でいただいているのがわかる。

IMG_3888

外国人団体旅行での夕食。英国式でテーブルセッティングもちゃんして給仕もつく。