ブッダガヤでの正信偈


浄土真宗のお勤め(お経)の定番は「正信偈」である。普通に読んで30分ちかくかかる。インドは広く聖地参拝旅行では時間が制限され、どうしても滞在時間は短く駆け足のような参拝となる。したがってインド聖地巡礼では偈文と呼ばれる「重誓偈」という5分くらいのお経を勤めることが多い。他の宗派で言えば「般若心経」的なものだ。

さてブッダガヤの大塔はお釈迦様が悟りを開かれた極めて重要な聖地であり、誰もが自分の信仰する教えのお経を読みあげたいと願う。かつて駐在していた時は浄土真宗の僧侶は私だけだったので一人でこの「正信偈」を勤め上げたことはあったが、複数でのお勤めは一度もしたことがなかった。

2016年10月有志の浄土真宗のお坊さんと共に大塔の金剛法座前のダライ・ラマ法王などが大きい法要を務められる場所で「正信偈」を勤めることができた。しかも五条袈裟という略式ではない和装法衣をまとってのお勤め。通常海外旅行では貨物重量が制限されるため基本的に通常の服や作務衣の上に輪袈裟と略衣を着ての参拝をすることが多い。

前々から一度行いたいと思っていたが、なかなかご縁に会えず今回初めてのご縁となった。滞在時間、人数、法衣を用意することなどいろんなご縁が揃わないとこういった法要は行えない。本当にありがたいご縁であった。

5名でのお勤め。大塔の菩提樹は目の前。

準備をして今からお勤め。

正信偈のお勤め中

お勤めしたお坊さん方々


インドで托鉢


2016年10月1日高知県仏教青年会が放置されていた仏像を復興しその仏像のために堂宇(お堂)を建てたインド、ジェティアン村で、堂宇建設16周年法要の一環として初の日本人僧侶による托鉢が行われた。

ジェティアン村は小さい村で托鉢をしたメインロードも道幅は4mほどで、昔からのインドの村らしいお釈迦様の時代と変わらないような道を十数人の僧侶が一列になり歩いた。準備の段階で浄土系などは托鉢自体あまりしないため鉢の所有者が少なくタイなどでよく見る大きい托鉢鉢を入手しようとしたが、仏教徒の少ないインドでは入手できず、インド人ガイド氏の発案により、なんと同じ大きさの料理用ステンレスボールを使用した。

静々と村の中に進んでいくと所々の家の玄関先から托鉢鉢に喜捨を入れていただく。喜捨をいただいた時お坊さんからありがとうを言うことはない。頭を下げることすらしない。逆にお坊さんに布施ができてありがたいと喜捨をする方が思うのが本当の姿である。これがなかなか日本人僧侶はできずどうしても頭を下げてしまう。鉢には干しぶどうや果物やビスケットなどを入れていただく。村の道を約400Mほど歩き最終地点になる村の公民館的な会合広場でこれらをいただいた。

インドで仏教僧が托鉢をするというのは一般イメージとしてよく行われそうだが、東南アジア仏教国とちがって仏教徒のほとんどいないインドではあまり見ることができない。仏教徒のいないジェティアン村では非常に珍しい行事なのでたくさんの人が集まって見学していた。これが縁で一人でもいいから仏教に関心を持ってくれたらと切に願う。

なお日本人による托鉢はインドでは珍しい行事だったのでインド現地記者のレポートがある。詳しくはここをクリック。

托鉢の様子

食事前に般若心経のお勤め

村の会合所でいただく

実物の托鉢の鉢が入手できないため、大きさ形が似た一般家庭で使われるインド製タッパ型のステンレスボールを使用。デリーでやっと入手したもの。

托鉢で喜捨されたもの

珍しがるジェティアンの村民。村人は100%ヒンドゥー教徒。仏教徒ではない。

村の会合所。

村のメインロード