「菩提樹の実」として数珠にされる実の種類は数種類ある。本当のインド菩提樹の実からは数珠はできないが、実際には違う実が「菩提樹の実」ということで世間では通ってしまっている。
さてその中で人気のあるものに鳳眼菩提樹、龍眼菩提樹、虎眼菩提樹というものがある。すべて同じマルナツメの実であるが細胞分裂のような割れ方(育ち方)で分裂数によって名前が違う。インドの数珠屋は鳳眼菩提樹を「一ツ目」、龍眼菩提樹を「三ツ目」、虎眼菩提樹を「四ツ目」と言い、分裂数、つまり目の数が多いほど希少価値がある。一般に出回るのはこの虎眼菩提樹まででそれ以上になるとかなりプレミアムなものになる。「五ツ目」と言われる5箇所に分裂しているものは心眼菩提樹とか天星菩提樹、五仏眼菩提樹などと言い方は多少違いが出てくるが稀に販売していることがあるが極めて高価である。
そしてそれよりも目数の多い六ツ目や七ツ目そして最高八ツ目まで存在する。これらは産地の念仏の発祥地ラジギールでも数年に一度出るか出ないかで、あまりに数が少なすぎて親玉になるくらいではないだろうか。しかも分裂しすぎて球体の形が崩れ楕円型になってしまっている。八ツ目はさすがに超希少でインドの大物数珠屋でも一生に一回見れるか見れないかという伝説の「菩提樹の実」である。