カジャ!カジャ!


インドの聖地巡礼でナーランダ大学跡に行った方ならおそらく食べているナーランダの銘菓「カジャ」。ウエハース状の甘い揚げ菓子で非常に人気のあるお菓子だ。ナーランダ近郊の主要道路沿いにこれを売る店がかたまって数十あり、ここの名物として観光バスや地元の人でいつもいっぱいである。

さてインド人は冗談が好きでこのカジャに関する冗談をひとつ。

少し頭の弱い男がいたそうな。彼がカジャ店の前で「これは何?」とカジャを指差し質問した。店の主人は面倒くさそうに「カジャ!カジャ!」(カジャだよカジャ!)と答えると男はそのカジャをとり勝手に食べだした。「何をするんだ」怒る主人。男は言った。「だってカジャ!カジャ!といったではないか」という冗談。(ヒンディーで「カジャ」とは「食べろ」と同じ意味)

これをナーランダや近郊ラジギールの人にこの冗談を話すと何回話しても爆笑される。外国人が吉本ギャグのベタな冗談を言ったら日本人が笑うみたいな感じ。

カジャの甘さが苦手の方は塩味のカジャある。私はこっちの方が好き。

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ナーランダのカジャ屋

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カジャを作る職人


佛旗


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インドで売られて売る佛旗バッジと高知県仏教青年会章佛旗バッジ

お寺でいろんな方の質問があるが最も多い質問のひとつにお寺の境内ではためく旗。あの5色の旗は何なのか。チベット?弘願寺オリジナル?いろんな解釈があったが、国際的な佛教の旗「佛旗」ですよというとそのようなものがあったのかとびっくりされる。

日本では佛旗の知名度は低いが仏教国であるアジア諸国は寺院行けば普通に見ることができる。特にスリランカなどは街中にはためいている。アジアの仏具屋には万国旗のようにして使う小さい佛旗まで売られている。最近では東京浅草寺の仲見世でも万国旗のように使用されている。日本の寺ではこの佛旗を法要時以外でつねに立てている寺院はあまりないし、お寺は誰が見ても仏教とわかるので立てる必要もないのかもしれない。

佛旗は1885年に基本デザインがスリランカで作られて1950年にスリランカで世界仏教徒連盟の第一回世界仏教徒会議で正式に国際佛旗となった。

「青」(「緑」の場合もある)は仏陀の頭髪の色で「定根」をあらわす。
「黄」は仏陀の身体の色で「金剛」をあらわす。
「赤」は仏陀の血液の色で「精進」をあらわす。
「白」は仏陀の歯の色で「清浄」をあらわす。
「樺」(日本は「紫」の場合がある)は仏陀の袈裟の色で「忍辱」をあらわす。
残りの1色は「輝き」をあらわし旗の6列目には独自の色は配されず、他の5色を上から順に並べた縞模様で表現される。

京都、西本願寺の法要では山門前にとんでもなく大きい佛旗が掲揚される。一見の価値あり。

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佛旗 弘願寺お花祭りでのシーン

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佛旗でデザインの高知県仏教青年会会員証。この佛旗を模したピンバッジをダライ・ラマ法王猊下につけていただいた。


アユヤタのガイドの告白


アユタヤの観光地で木の根に仏像の頭が自然にはまっている不思議な場所は非常に有名で、ここの写真はタイのアユタヤの代名詞的存在である。

昔、アユタヤであるガイドについてもらった。タイ人は人生で一度は出家してお坊さんになる習慣があるが短期間のみで還俗する方が多い。ガイドは仏教に詳しくレアな質問にもスラスラ答えるので聞いてみると彼はやはり元僧侶で7、8年僧侶歴があった方であった。ブッダガヤでもタイ人僧侶と付き合いがあったが、その身のこなしと話の内容が間違いなく元僧侶感を出す振る舞いだった。彼にこのブッダの頭の場所に案内された時、彼はこれは奇跡でこうなったのではなく、転がっていた仏像の頭を人力で根元において、こういう形になったのだ。自然にこうなるとはないとガイドをしてくれた。普通のガイドなら多分「ブッダの不思議な力で奇跡的にこうなったのだ!」とガイドするのではないか。さすが元僧侶。仏教には奇跡はない。

先日、南タイのお寺で今から、なんちゃってアユタヤを目指すかのごとくの木がお寺の境内にあった。何ともほほえましい。

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アユタヤの仏像

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南タイのあと数年でなんちゃってアユタヤ

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これは置きすぎ

 


お香の掘り出し物


バンコクの店は大体花屋なら花屋、仏具屋なら仏具屋街と同じ店が集まっている。小さいショップが集まるショッピングモールも大体同じ感じであるが時々全くジャンルの違う店がポツンとあったりしてびっくりする。

2年ほど前バンコク北部にあるとある大型ショッピングモール内で偶然ポツンとある小さいお香屋を見つけた。バンコクで販売されるお香は加工された線香かオリジナルのままの香木だがこの店には珍しく日本で焼香に使う香木を小さく刻んだ香を売っていた。はじめ種類がわからなかったが「沈香」と漢字で書かれたメモがあちこちに貼られており、試しに炊いてもらうと間違いなく沈香。早速店主と値段交渉を始める。「沈香」とはお香の中でも最高級の部類に入る素晴らしい香りのお香。この香の最高級品「伽羅」は現在日本では「金」の価格の数倍するものもある。

さてこの店のお香はどうもこの刻香を線香などに加工する原料として売っているようで、試しに2袋だけ購入し帰国後本堂で使用したがこれがいい。香りの濃さは少ないが、ちょうど法事でたくさんの方が本堂で焼香すると非常にいい香りになる。

その後、訪泰のたびにこの店をこのショッピングモールで何回もこの店を探したが見つからない。このショッピングモールは本当に大きく碁盤の目になっており、気をぬくとすぐさま迷うスケールである。結局見つけられず潰れたと諦めていたが先日、2年ぶりに自分が探していたエリアとは全く違うフロアで再会した。やはり同じ上品を売っていた。店主とやっと再会できたなどと話し込みながら香を入手した。

今、本堂で皆さんが使う弘願寺の焼香はこの沈香。いい香を常用すると焼香の香りが染みつき素晴らしい香りの室内になっていく。

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刻香状の沈香。横にあるのはカンボジア沈香の香木

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上に「沈香」のメモ。