ナーガルジュナ石窟


インド、ビハール州ガヤ市から約35キロ北方にインド最古級の石窟寺院バラーバル丘石窟がある。映画「インドへの道」の重要なシーンで出てきた紀元前3世紀ごろ作られた石窟寺院で、大きい岩をくり抜いて作られている。最近は訪れる日本人も多くネット上でも多く見ることができる。

ここからまだ2キロほど進むとナーガルジュナ石窟という同様の石窟寺院跡がある。実際に大乗仏教の創始者ナーガルジュナ(龍樹菩薩)の名前にちなんで付けられた名前という。現地で聞くと確かにナーガルジュナが住んでいたという。

この紀元前3世紀の石窟は大きな岩をくり抜き、縦長のドーム型ホールと小さい入り口を隔てて小さい円形のドーム部屋に分けられる。その壁はまるで鏡のように磨き上げられ当時の加工技術の素晴らしさがわかる。サルナート美術館にある同時代の磨き上げられたアショカピラーのライオン像を見てその滑らかさに感動した方もいると思う。美術館ガイドは現在はこのような技術は残っていないと言っていたことを思い出すが、石窟内は本当に鏡のように磨き上げれている。

この石窟は現在あまり訪れる人もなくひっそりとしているがバラーラル石窟に行った折はぜひとも訪れたい場所である。

(現在、治安のいいところではないのでガイドが必要な地域である)

ナーガルジュナ石窟遠景

丘の中腹に入り口がある

登り口

ナーガルジュナ石窟入り口

出入り口には碑文

石窟出入り口(1箇所のみ)

鏡のように磨き上げられた内部

縦長ドームのホール

石窟内部

石窟から下界を撮る。車のあるところにはムスリムの墓がある。19世紀この石窟はムスリムが礼拝堂として使ったこともある。奥に見える白い建物は建設中のゲストハウス。いまは静かだが将来は多くの観光客が来るのかもしれない。

丘はいろいろな奇石で覆われている

奇石の一つ。数メートルある

バラーバル丘石窟にあるナーガルジュナ石窟への案内板

 


ジェティアン堂宇復興16周年法要


2016年10月1日ジェティアン村の高知県仏教青年会が放置された仏像のために作った堂宇の16周年法要が行われた。今回はブッダガヤからブッダガヤ大塔(大菩提寺)代表も来られ盛大に行われた。

10時から式典は行われ、ブッダガヤ大塔代表らによるパーリー語の読経、日本僧侶による読経、インド側日本側からのスピーチ、最後に近隣学生によるコーラスと続いた。

今回、堂宇は大幅な大改修が行われ階段から床はすべて張り替え、また手すりなど新たな部分も作られた。この16年を振り返ればジェティアンは復興事業がきっかけでインフラ面では鉄道が新たに引かれ、ブッダガヤ・ラジギール間の幹線道路として大改修された。また放置仏像復興の流れが加速しナーランダ大学などがビハール州の仏像復興を進めている。数年前より毎年12月にはアジア各国から3000人規模の僧侶、信者が集まりこの堂宇よりラジギールの竹林精舎への徒歩による平和行進が行われる大事業になった。これらの一連の流れは当初予想にもしていないことで、非常に感慨深い。

当日のインド新聞のネット配信はここ

仏像復興に関わるナーランダの現地情報はここ

 

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式典に向かう仏教青年会参加者

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ブッダガヤ大塔代表と式典の流れなどを確認

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Jehian堂宇

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ブッダガヤ大塔代表らによるパーリー読経

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日本側代表によるスピーチ

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Jethian 仏像 座っている姿の仏像は極めて珍しい パーラー時代のもの

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お供え。果物などに直接線香をさすのはインド式

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近隣の学生による音楽とコーラスの奉納

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コーラスの奉納

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ブッダガヤ大塔代表と共に

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Jethian仏像

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集まった村人たち

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日本側から記念にジェティアン村へ100本のマンゴーの木が送られた。「コウチ・ブッダ・マンゴー」村のあちこちに植えられる。

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高知県仏教青年会などの有志参加者

 

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翌日のインド新聞4紙による記事


菩提樹の葉 葉脈化加工


インドのブッダガヤに行くと菩提樹の葉脈のみに加工した物をお土産にしてたくさん売っている。

その中でも大菩提寺の後ろにある「大塔の菩提樹」の葉は仏教徒であればお土産の記念品というよりも「お守り」や「礼拝の対象」として持ち帰ることが多い。お釈迦様はこの菩提樹の下で悟りを開かれた。(2500年前のことなので何世代も交代はしているがその正当な遺伝子を受け継ぐ木)

ブッダガヤの大菩提寺に行けば、気のいいお坊さんなどがその菩提樹の葉を渡してくれることもある。さてこの葉、当然生ものだから数日するとカラカラに乾燥してしまう。そのままにしておくとパリパリに割れてしまって保管するのは非常に難しい。そこで保存方法として菩提樹の葉は葉脈が非常に強いので葉を水に入れて腐らし葉脈のみの葉に加工することができる。

現地では「ホンモノ!ボダイジュ、本物!」と数珠屋が道端でこの葉脈を押し売りしてくるがこの「大塔の菩提樹」ではなくその辺の菩提樹を大量に加工して販売している普通のお土産。「大塔の菩提樹」の葉脈葉が欲しければ、実際に大塔で入手し加工しなければけらない。

そこで実際に作ってみた。以下がその様子。

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大塔にいるお坊さんからもらうこともできる

 

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ブッダガヤ、悟りの大塔菩提樹

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乾燥した菩提樹の葉

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水につけて1週間目、洗剤を入れるとかすれば早いらしいがあえて水のみで加工。

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2ヶ月目ほど 水は週一で替える

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5ヶ月ほどで完全に葉脈のみとなる

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乾燥

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ラミネート加工

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綺麗に保存できる

 

なお、ブッダガヤでは菩提樹の青い新鮮な葉のままラミネート加工するショップもあるそうだ。


ダラムサラ ダライ・ラマ法王法話聴聞記


チベット亡命政府のあるダラムサラに訪れた時、偶然にも台湾の団体のリクエストによりダラムサラでのダライ・ラマ法王の法話会が行われていた。法王は大変忙しいスケジュールの中、世界各国を訪問しており、なかなかダラムサラでの法話の機会はいつでもというわけではない。

ダラムサラで法話が行われるとき一般の方も申請すれば誰でも法話が聞けるとの話を聞きさっそく法話会場へ。さてその取り方。会場のナムギャル寺内の受付に行って申請用紙をもらって記入しパスポートと10Rsを出すだけでいたって簡単。ただし今回はたくさんの方が並んでいたので1時間ほどかかった。並び方もインドらしく一列には並ばず我先に前に進む日本人が見ればびっくりするがインドでは当たり前のこと。少しでも前が開けば誰かに入られる。

無事パスをもらい会場に入る。すでに法話は終わっており厳しいセキュリティーチェックも特に受けず会場へ。みなさん法話後の昼食タイム中。法王には会えなかったが会場ツクラカン堂の法王玉座まで進むことができた。

翌日はダラムサラ在住の某氏のお力添えにより法話を拝聴。この時のセキュリティーは飛行場並みで携帯、パソコン、カメラなど持ち込み禁止。寺院入り口に預かってくれる場所はある。参加者は熱心にテキストを見ながら真剣に拝聴。西洋人が多いのが目立ち仏教が欧米にひろまっていることがわかる。日本人は私たちを入れて30人ほど、中にはこの法話のために主催の台灣のグループに入って参加している方もいた。求道心に頭が下がる。法話の最中インドチャイやチベットティーが振舞われるのでカップを必ず持参すること。

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入場パス QRコードにはパスポート情報が入る 料金の10RSはこのカード代

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ナムギャル寺山門

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パスを求める列

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パソコンにて発行

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法話会場、奥に玉座が

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2箇所の発行所 インドらしくキッチリ感はない

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ツクラカン堂での法話後の昼食中 いい雰囲気

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法王の玉座

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お弁当を食べる聴聞者

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法王玉座前にて

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ゆったりした会場の午後


ジェティアン堂宇の大規模修繕


高知県仏教青年会により2000年に完成したインド、ラジギール近郊のジェティアン(Jethian)村の放置仏像のための堂宇は16年を経過し、かなりの劣化が見られこのたび大規模な修繕が行われた。

2016年に6月に着手金を寄付し、10月1日の完成に向けて工事が行われた。インドも資材などの高騰が目立ち当初予算からかなりオーバーしたが工事は順調に進むように思えた。しかしインドは基本的に納期という感覚があまりなく、工事も9月に入ってやっと始める状態で工事は9月末までなん度も現地事務局員が足を運んで急かしギリギリに完成した。実際2000年の堂宇完成時には落慶法要の数日前の段階でまだ仏像は堂宇に入ってもいなかった。それでもなんとかなるのがインドである。

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壁面の塗り工事

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タイル貼り工事

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Jethian堂宇 タイル工事

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白い服のおじいさんが元村長サドゥー・サラン・シンさん。

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インドらしい階段も張り替え

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タイル貼りも終了

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ほぼ完成。あとは欄干工事


シーク教黄金寺院の施食カレー「ランガル」


シーク教徒というターバンを巻いたいかにもインド人というグループがある。人口的にはあまり多くないが結束が固く成功者も多い。この宗教の本山がインドの北のアムリッツアルという町にある。デリーから飛行機で1時間少々。この本山、黄金寺院は眩いばかりの黄金の寺院を中心に総大理石作りの回廊があり多くの人がお参りをしている。異教徒も頭をバンダナなどで隠すなどの条件があるが問題なく参拝することができる。

さてこの寺院は24時間、300人に及ぶボランティアによる無料の食事が振舞われる「ランガル」が有名で、誰でもこの食事をいただくことができる。黄金寺院の一角に体育館のように広い食堂があり、1階で食器を受け取り2階の大広間(一度に5000人が食事可能)でいただき、1階で残飯、食器を返すという流れるような無駄のないシステマチックな動線が素晴らしい。日本人には衛生面が気にかかるが実際に食べて特に問題はなかった。そのカレーの味たるや質素ながら素晴らしく辛さも特になく乳粥の甘さは絶品であった。なんとその歴史は500年以上で毎日10万人分作られるそうだ。費用は全て信者の布施によって行われる。

食堂に入るのには独特な雰囲気なので少々勇気がいるが入れば歓迎され笑顔で迎えてくれる。

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アムリッツアル 黄金寺院

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参拝する人々。頭は隠さなければならない

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「ランガル」施食 施設入り口 ここで食器をもらい2階に上がる

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ランガル 施食施設

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一階で皿、スプーン、水入れを受け取る。

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カレーはこのようなバケツでシステマチックに配られる

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カレーをもらう。お代わり自由

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チャパティーをどうぞ

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お代わりをする参拝者

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乳粥、野菜カレー、豆カレー、チャパティーと水

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一列になっていただく

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手前の大バケツが残飯入れ、その向こうが食器入れ。食器は投げて入れる!(入らない!)全て作業はボランティアがやってくれるが荒っぽいことといったら!

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食材作りのボランティア。インド、世界各地からくる総勢300人以上とのこと

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実はシーク教徒は長男(家長)がターバンを巻きそれ以外はまかない。

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大量の食器

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シーク教のシンボル ステッカーが車などによく貼られている


団体旅行のチャイ


バックパッカーや個人旅行以外でインドを旅行をされた方なら初めてレストランや休憩所でインドのミルクティー「チャイ」を飲んだ時あれ?と思われたに違いない。それは甘くない !

インドの本当のチャイは甘すぎるくらい甘い。初めて飲むと甘さでむせるほどである。甘すぎて飲めない人もいるくらいだ。だいたい南、東南アジアを中心とする飲み物は基本的に甘い。タイでもペットボトルのお茶(烏龍茶的なもの)を飲んでも甘くてびっくりした方も多いとおもう。

インドではそれを見越して団体客や外国人馴れしているレストランはあえて砂糖は入れず、それぞれのお好みでということで自分で砂糖を入れることになる。ちなみに普通のカップであればインドチャイを再現する場合、角砂糖5個以上は入れてほしい。

しかしながら本当においしい道端の屋台インドチャイとは程遠く、是非ともインドに行ったら道端の屋台のチャイを楽しんでほしい。チャイ感が変わること間違いなし。もしお腹が心配なら長い煮沸をお願いしよう。チャイワラ(チャイ売り)は喜んでグツグツ煮込んでくれる。

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オールドデリー駅前のチャイ屋

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インドの屋台みやげ


インドでの楽しみの一つに買い物がある。屋台の小物屋での買い物。売られているのは数ルピーからせいぜい200Rs(300円くらい)までのステッカーやバッジ、ずた袋、ショール。昔駄菓子屋で山のような駄菓子の中から5円とかの飴や10円のアニメ(当時はマンガといった)のカードを買うのに少し似ている。

ブッダガヤなどの屋台は置いてあるものもだいたいわかるけれども、いまでも立ち止まり、新製品はないか必ずチェックしてしまう。滅多に行けない土地や初めて行く土地に行けば屋台の前から離れるとができない。

最近はアマゾンなどネット通販でいろんなインドグッズが手に入るようになったがこういった小物商品はなかなか入手できない。

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ダラムサラのステッカー屋

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ブッダガヤの土産屋台

 

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ブッダガヤの有名老舗アンティーク小物屋

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ブッダガヤのショール屋

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ブッダガヤの衣料屋台のカバン


ブッダガヤの電気リキシャ


ブッダガヤの交通手段事情に最近渡印したとき変化があった。ブッダガヤの主な交通手段は数キロ範囲であれば自転車の人力車「サイクルリキシャ」を使っての移動であったが、最近は電気モーターで動く力車も加わった。タージマハールも時期的にかなり以前から数キロ手前で電気自動車に乗り換えさせられるし、シーク教本山なるアムリッツアルでも電気リキシャが走っていたので探せば多く使われているのかもしれない。

電気リキシャの採用は当然環境問題。インド各地の排ガス汚染問題は度々ニュースになる。インドらしいのは電気消費量を減らそうと夜間でも平気で無灯火で走るので少々怖い。

 

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客待ちの電気リキシャ

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ブッダガヤの電気リキシャ

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アムリッツアルの電気リキシャ

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昔ながらのサイクルリキシャ


ジェティアン村堂宇2016堂宇の劣化


高知県仏教青年会が2000年に作った堂宇は16年が経ちかなりの劣化がみとめられるようになった。いたるところで割れや沈下などが目立つ。今回私たちは本格的な修復を行うことになった。16年前とでは物価の上昇がとんでもなくインドの経済成長がよくわかる。この度6月から4ヶ月かけて修復し10月1日高知県仏教青年会で現地で16周年記念法要を実施する。また今回で仏教青年会の組織的な援助を終了し有志による援助に変わる。

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ジェティアン堂宇の劣化

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インド ジャティアン堂宇の劣化2

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インド ジェティアン堂宇柱の劣化

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インド ジャティアン堂宇の劣化

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インド ジェティアン堂宇

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ジェティアン堂宇の大きな穴

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新村長と現地事務局ビジャイさんと

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堂宇のジェティアン村旧村長、実行委員会のみなさんと