ウィークエンドマーケット


バンコクの名所で土日しか空いていない場所がある。東南アジア最大規模の市場「ウィークエンドマーケット」。店舗数1万5千以上、簡単に作られたトタン葺の倉庫のような建物に、似たような路地が碁盤の目のようになっている。外と内の壁はないオープンなのでエアコンはない。5月や6月の酷暑時期に水分補給も暑さ対策もしないで行くと一発で熱中症になる。またそこに何万人の買い物客が集う。あまりの人ごみも圧倒される。ほんとうに想像を超える広大なマーケットなので初めて行った時は本当に迷った。今でもしっかり地図を見ないとたちまちに迷ってしまう。

初めて行った時は20年ほど前でいろんな掘り出し物があった。実際ここで買った物をネットオークションで売り、旅行代の数倍を稼いだツワモノを知っている。今でも日本のアジアン雑貨店が仕入れをしているのを見たことがあるが、残念ながら今はインターネットが普及し、何がどれだけの価値があるのか誰でもわかる時代が来たので、もう本当の掘り出し物を見つけるのは難しいが、判別の難しい骨董系は目力さえあればまだ入る余地がある。

初めて行くとその規模と人ごみに本当に圧倒されるが、その物量と独特の雰囲気はバンコク市内では是非とも訪れたい名所である。ただし土日のみ。ちなみに平日しか滞在できないという方には隣接するJJモールという大型ショッピングセンターがあり、ウィークエンドマーケットほどディープではないが同じような小綺麗な店がかなりの量が入っているのでそれっぽい感じが味わえる。

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ひとつの路地

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人でごった返す市場

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行き違いが困難な場合も


屋台ごはん


私のタイでの食事は屋台が基本だが、当然当たり外れがある。といってもタイのいいところは美味しいか、普通かどちらかで、かつて東北地方イーサンでツアーに組まれた屋台料理に鳥の唐揚げのようなものが出たが、あからさまに残り物を揚げ直して、しかも時間が経って腐敗臭がしたので食べれなかったのが一度だけ。

先日中華街を散策中、朝からなにも食べていなかったので偶然見つけた屋台に入った。ここの客はたいていタイ風焼き飯カオパットを食べており、ここの名物ぽかったので頼んでみた。出前もしておりひっきりなしに注文が入る。ほんの数分で出来上がってきた。中皿に盛られた日本の焼き飯と同じ量くらいで、スライスしたきゅうりと味付け用ライムが付いてくる。一口食べると米はほどよいパラパラで香ばしい香りが口いっぱいに広がる。試しにとライムをしぼると酸っぱさが味を引き立てて極上の味になる。日本語で思わず「うまっ!」スプーンでがっついた。

タイ人の主人はうれしそうな顔で日本人に「アロイ?」おいしいかと聞く。サムズアップのポーズで「アロイ!アロイ!」と答える。主人も作っている奥さんもうれしそうだ。魚のフライをおまけにもらってまたこれもおいしい。これで200円ほどか。「サンキューサンキューNo1No1」とお礼を言って道に出た。掘り出し物にあった気分。やっぱりタイは面白い。

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田舎の屋台テント(参考)

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屋台の汁麺(参考) まあだいたい屋台はこんな感じ

あまりの美味しさに写真を撮り損ねたので、似たような風景。


お香屋さん


以前からよくいくタイのお香屋街に顔を出して最近入ったお香を見せてもらった。タイ産を中心にマレーシア、カンボジア、インド。最近はラオスやミヤンマー産も多く見られる。主なお客は中東の人たち。もちろん仏教徒ではない。中東の方は沈香を多用しその煙を香道のように楽しみ、沈香から絞り出したオイルを香水にしたりその煙を体に染み付けたりする。

今回日本人だというと奥から日本に送るための最近出てきたというラオス産沈香木を見せてもらった。これがすごい。本当に重く沈香のオイルが場所によってはしみ出している。水に沈む木だから沈香というが確実に沈むと実感できる重さ。オイルで黒くなっているこの部分は削り出され最高級の伽羅になるのだろう。少し試しに炊いてもうとオイルがグツグツ染み出して素晴らしい匂いがした。ラオスの奥地から中国にかけてのエリアはまだまだ出てきそうである。

 

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気のいいムスリムの店員

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ラオス産沈香原木


泥棒市場に屋台なし


バンコクに行くと必ず立ち寄る中華街のクロントムと言われる主に機械製品を売る地区に、昔から路上屋台市場の泥棒市場と言われてなんでも売っている一角がある。昔は泥棒をしたものを本当に売っていたというなかなかディープな市場である。いつも車が一台通れるスペース以外道路にはいろんなものを売る屋台テントがひしめき、見て歩くだけでも面白い。

先日この場所に行ったのだが、この屋台市場がない。いつも来る方向と違う道から来たのでまちがったのかと思い、あたりを歩き回るが一向に見つからない。ヤワラート道りに出て、何年も乗り捨てられていてどいういわけか処分されない古いランドローバーがこの通りの入り口の目印なのだが、これを見つけた時は今いるのは目的の場所に間違いないことを確認。これはタイで時々ある街の浄化のための屋台の強制撤去なのか?あるいは偶然何かの休みの日なのか?再びその道を歩くと通りの入り口にいつも見ない警察官が数人待機している。ああこれは屋台テントが強制撤去されたのだ。さらに道を進むと友人の屋台時計屋が本来彼の屋台のある場所で椅子に座っていた。どうしたのかと聞くと、やはり警察が強制撤去したので屋台は出せないので椅子でこじんまり営業しているという。

そういえば最近でバンコクの昼間の屋台を禁止にする場所ができたという記事を読み、そこはオフィス街でいつも立ち寄る場所ではなかったので特に気にしていなかったが、中華街のこのような場末の場所でも実行されるのかと少々驚いた。でもおそらくあと数ヶ月もすれば警官はいなくなり元に戻っていつもの屋台街になることだろう。それがタイの面白いところである。だから時計屋の彼は場所取りのためにも椅子に座って規制の解除を狙っている。

2023年追記。屋台は戻った・・・やはり。

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ヤワラート通り

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規制前のクロントム屋台市場。あまり本気で写真を撮るともめるのでこっそり。


アジアンアンティーク


バンコクにあるアジアン・アンティークビル「リバーシティー」に調べたいことがあり久しぶりに出向いた。ここはアジア各国のアンティークが集まる大型ビルで扱うものは現代アートからアジアンアンティーク。特に西洋人が好みそうなものが数十店舗沢山ある。タイアンティークがほとんどだがなにせ高い。日本のアジアンアンティーク市場から考えると安価ではあるがそれでも手が出せない高価格。やはりアンティークはこういう場所で勉強して場末で掘り出してこそ面白い。

当然ながらアンティークには仏像というジャンルがあり、信仰の対象なのに・・とお坊さんとしては考えらさせられるのだがここでも古仏がたくさん売られている。ちなみにタイの古仏は輸出禁止なので売っているのはビルマなどの近隣国のものとされている。

偶然、店の一つに日本アンティーク専門店を発見。表のショーウインドウには浄土真宗の大型仏壇用の宮殿(仏様を安置するところ)と本尊・阿弥陀仏や浄土宗の阿弥陀仏、また某新宗教の仏具などアンティークというより新しい仏壇に変えた時に遷佛法要(一般的に言う「魂抜き」)後に仏具店が処分するような市販の一般的な市販のもの。僧侶や仏具店員、プロなら「骨董」としての価値はないとわかることだが、外国人はアンティークと思うかもしれない。値段もあっというような価格であった。しかしこういったものが100年とか経つと本当のアンティークになるのが面白い。

 

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日本専門骨董店。大型仏壇から外した宮殿に浄土真宗の阿弥陀佛や浄土宗の阿弥陀佛、法華経系などさまざま。

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リバーシティービル内


タイのブッダガヤ大塔


 

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ブッダガヤ大塔そっくり

バンコクから車で数時間南にいった場所にプミポン現国王に献上された王室寺院ワット・ヤンサンワララーム(ワット・カオ・シーチャン)がある。建物はまさにブッダガヤ大塔を少しタイ建築様式になっているが大きさなどは実物とあまり変わりない。静かな堂内は八正道をわかりやすく解説したアート的な解説や瞑想に関することが配置されている。また巨大な敷地内にはタイ仏塔やタイ寺院など大宗教施設でたくさんの観光客が来ていた。ここまでの規模のブッダガヤ大塔を摸したお寺は私は初めてで圧倒された。日本寺駐在僧の先輩I師のブログにも同様の記事があり日本各地やタイの他の地にも大塔を摸した建物があるとのこと。そういえば浄土真宗東京別院の築地本願寺もなんとなくそれっぽい。昔から仏教徒はインドのブッダガヤ大塔に想いを寄せてお寺を作る。(弘願寺の納骨堂もその通り)

 

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全景

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左右の木々がタイらしい

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オリジナルのブッダガヤ大塔

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堂内中心部

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回廊

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堂内は仏像でなく現代アート系


中華街の念仏


バンコクの中華街には中華寺が多い。タイ仏教は上座部仏教(黄色い袈裟のタイらしいお坊さんのグループ)で中国は日本と同じ大乗仏教。バンコク中華街はこのタイ仏教寺院と中華寺院が混在している。いつもこの中華街をあてもなくウロウロ探検するのが何より楽しく、ある日いつも立ち寄るインド人街にあるオールド・サイアムというタイ庶民のショッピングモールをすぎてもっと奥(チャオプラヤー川側)に進んだら日本語の一般的なバンコク地図に載っていない大きい中華寺を見つけた。非常に大きい寺院で寺院の壁面にお念仏が描かれている。夕方で誰もいない本堂で数十分ゆっくりする。よく見るとお賽銭箱や天井の柱など沢山の南無阿弥陀仏が書かれている。仏教寺院はもちろんのこと浄土門僧侶として馴染みのお念仏があるとより安心感がある。中華街の外の喧騒は全くなく少々歩き疲れた身には我が家のような最高の癒しの場である。

東京の築地本願寺や大阪の北御堂(津村別院)でサラリーマンが昼休み時間に本堂に休みに来るというのもうなずける。静かなのは当然として仏様に守られている感といい、お参りもできるし瞑想もいいだろう。お寺はやはりいいね。

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壁に描かれたお念仏。異国で見るお念仏は我が家に帰ったような安心感がある。

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本堂内にもいたるところにお念仏

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中華街で偶然見つけたお寺の門。場所的なものなのか風水なのか横から入る。


チャオプラヤー川


バンコクといえばチャオプラヤー川。観光ツアーでバンコク観光の時はまずここに来て「暁の寺」に行く時にこの川を渡る。高級ホテルもだいたいこの川岸に集中している。ここの川岸に立ち、日本の中古車エンジンをそのままスクリューに直結した船外機の爆音を聞けば、ああバンコクに来たなあと情緒に浸れる。

先日所用がありこの川岸沿いに立つビルに行った帰り、通常タクシーなどを使うところをあえて水上バスに乗った。頻繁に来るのではないので、桟橋で川を見ながらぼーっとする至福の時間。セイラーマンの鳴らす独特の笛の音とともに船がやってきた。船は超満員で地元の人80%残りが観光客らしきひと。船内からの川岸の景色はなんとも素晴らしい。お寺や大きいホテル、昔ながらの建物。釣りをするひと。船は工事中の暁の寺を前に高野山真言宗が護持する日本寺近くで上陸。

かつて南インドのケラーラ州で乗ったバックウォーターの乗り合い船に乗った時もそうだが、ローカルの水上船の旅は格安で最高の景色を提供してくれる。下手な観光地よりよっぽど面白い。

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高速船からの景色

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対岸真ん中に見える暁の寺は工事中

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川沿いの街並み

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桟橋

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船の中は超満員


タクシーの値段交渉


アジアは基本的にタクシーは値段交渉だ。バンコクのようにメーターがついて便利な時もあるが雨が降ったり長距離だと今でも値段交渉になることが多い。インドもカルカッタやムンバイなどの都会はメーターはあるのはあるが物価が上がってメーター表示が追いつかず正式にメーターの3倍払いとかあり、ぼられているかいないのか、わけがわからないので値段交渉の方が圧倒的に多い。インドには何倍もふっかけたり、交渉しても降りる段にもっと出せと言ったり交渉の意味すらない輩もいる。バンコクは比較的おとなしくぼっても倍くらい。トゥクトゥクというオート三輪タクシーもあるがメーターがなく交渉となりタクシーよりも高い。観光に来たならばタイ名物なのでアトラクションとして乗るのはたのしい。

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トゥクトゥクは高いし交渉が必要。タイ情緒はあるけど。

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スワンナプーム空港

バンコクのスワンナプーム空港で普通のタクシーに乗ってしばらく高速を走っているとメーターが動いていないことに気づいた。確かスイッチを入れたのを見たのだが、いつの間にか途中でメーターの電光が消えている。さては新手のボッタクリかとヒヤヒヤしながら目的地に着いた。いつも使うルートだからいつもの値段を堂々とした態度で全部分かっているからね的な空気を出して渡した。さあ何を言い出すか・・・。ドキドキして次の手を待ったが、そのまま運転手はサンキューといい去っていった。単にメーターが壊れていていたのか。しかしこういったトラブルの場合ぼってくるドライバーもいるのでご用心。 値段交渉で非常識なボッタリ価格の提示をするドライバー、逆に格安の料金で構わないというドライバーや明らかに挙動のおかしいドライバーはスルーすることだ。代わりのタクシーはいくらでもいる。何度かこういうタクシーに乗ったことがあるが土産屋に強引につれていかれたり、ブツブツ言いながら反対車線を全開で走るドライバーだったりというオプショナルツアーが無料で付いてくる。君子危うきに近寄らず。


バンコクのインド人街


バンコクにパフラットというインド人街がある。基本的には生地屋街だがインドで売っている日用品などの商品も多い。インドに行かなくてもインド食材、スパイスなどはここで買えるのでインドに行けないときはここで購入する。この街は迷路のように入り組んだ商店街となっており、その中をウロウロするのは宝探しのようでたのしい。最近はインディア・エンポリウムというショッピングビルも出来て少しだけ再開発されている。シーク教寺院では無料で朝食が提供されていたり色々な発見が時々あるインド人街やバンコクの街歩きはたまらなく楽しい。

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インディアエンポリウム

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偶然見つけたチベットグッズショップ

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バンコクなのにトイレの案内もインド風