Happy?


南タイでの出来事。観光寺院でない一般の少し大きめのお寺に参拝したとき、本堂などの場所がわからず駐車場をウロウロしていたらワンボックスに乗ったお坊さんに出会った。老僧と若いお坊さんが3人ほどでドアを開けて誰かを待っている様子だった。老僧は車のドアの席に座り若いお坊さんは車から出てなにやら世間話をしている。目が会うやいなや私は合掌をして挨拶した。すると老僧がニコニコしながら「Happy?」と問いかける。「幸せか?」このような言葉がごく自然に出るなんて!HelloとかHow are you?なら何度も聞いたがと思っていたら、思い出した。ブッダガヤのあるお坊さんは同じような挨拶をしてくれた。ダライ・ラマ法王も人生の目的は幸せになることにあると法話される。日本の僧侶はあまりに明快すぎて言葉にしにくい「幸せ」という言葉が自然にでるようになっていきたい。

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ブッダガヤで瞑想するビルマ僧


お布施


タイやインド、スリランカなどの上座部仏教のお布施は現金と共にお袈裟や日用品を添えてお坊さんに納められることが多い。

タイは特にお坊さんのお布施をする行為は日常的に多いので普通にスーパーや雑貨屋で袈裟やお布施用日用品セットを売っている。セットの中身はちょっとした風邪薬や歯ブラシ、歯磨き粉、石鹸また「インヘラー」という鼻口から吸ってすっきり感が味わえるタイガーバーム臭のものもよくはいっている(咳、喉ぐすりとのこと)。またタイのお坊さんは消耗品以外の日用品も袈裟と同じ色の黄色系のものがよく使われタオルから傘、バケツに至るまで黄色系のものがお布施用に売られている。日本で言うならスーパーなどでお布施袋や線香などのセットが売っている感覚。

ブッダガヤ駐在時もタイ、スリランカのお寺などでお袈裟やそのようなお布施用日用品セットをお布施でいただき、日本にはないお坊さんグッズが珍しく興味深かった。今でもバンコクのスーパーに行けば必ずこのコーナーを見て面白い物を探してしまう。

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お寺にも事前に用意されたお布施セットが売られている。タイ某所

 

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バンコクのスーパーにあるお布施コーナー

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スーパーでお袈裟販売

 

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お布施日用品セット。洗剤や歯ブラシや裁縫道具、簡単な薬が入っている入れているバケツまで黄色系


佛旗


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インドで売られて売る佛旗バッジと高知県仏教青年会章佛旗バッジ

お寺でいろんな方の質問があるが最も多い質問のひとつにお寺の境内ではためく旗。あの5色の旗は何なのか。チベット?弘願寺オリジナル?いろんな解釈があったが、国際的な佛教の旗「佛旗」ですよというとそのようなものがあったのかとびっくりされる。

日本では佛旗の知名度は低いが仏教国であるアジア諸国は寺院行けば普通に見ることができる。特にスリランカなどは街中にはためいている。アジアの仏具屋には万国旗のようにして使う小さい佛旗まで売られている。最近では東京浅草寺の仲見世でも万国旗のように使用されている。日本の寺ではこの佛旗を法要時以外でつねに立てている寺院はあまりないし、お寺は誰が見ても仏教とわかるので立てる必要もないのかもしれない。

佛旗は1885年に基本デザインがスリランカで作られて1950年にスリランカで世界仏教徒連盟の第一回世界仏教徒会議で正式に国際佛旗となった。

「青」(「緑」の場合もある)は仏陀の頭髪の色で「定根」をあらわす。
「黄」は仏陀の身体の色で「金剛」をあらわす。
「赤」は仏陀の血液の色で「精進」をあらわす。
「白」は仏陀の歯の色で「清浄」をあらわす。
「樺」(日本は「紫」の場合がある)は仏陀の袈裟の色で「忍辱」をあらわす。
残りの1色は「輝き」をあらわし旗の6列目には独自の色は配されず、他の5色を上から順に並べた縞模様で表現される。

京都、西本願寺の法要では山門前にとんでもなく大きい佛旗が掲揚される。一見の価値あり。

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佛旗 弘願寺お花祭りでのシーン

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佛旗でデザインの高知県仏教青年会会員証。この佛旗を模したピンバッジをダライ・ラマ法王猊下につけていただいた。


高知でチベット2


高知、大豊の定福寺で行われた「チベットフェスティバル」期間中、阿弥陀仏の砂曼荼羅製作が行われた。北海道から行われた同様の他の4会場は時間がつまっていたためお坊さんも時間におされて大変だったそうだが高知は時間的にも余裕がありリラックスしてできると笑顔。また初日と最終日のみ開催予定だったチベット舞踊チャムも毎日行われ、管長の法話、瞑想指導には全国各地、海外からも聴講にこられ平日でもほぼ満堂の入り。ちなみにこの会場は高知市から車で1時間ほどの四国山地の真ん中にある。この地は交通の便は良くなく、ちょっと時間が空いたから見に行ってみようかという場所ではない。

ある日夕食に呼ばれた。お坊さんの中に食事担当の方がいてインドのタシルンポ寺院と同じクオリティーものが出される。この時はチキンカレー(タイのカレーのような感じ)とテンテゥという水団。これはベジタリアン。お坊さんは出身地などでベジタリアンとノンベジタリアンがいるそうである。味は辛くなく非常に食べやすい。

最終日に砂曼荼羅が完成し阿弥陀仏の灌頂、砂曼荼羅破壇など素晴らしい行事があったが残念なことに自坊の法務で行くことができないのが悲しいがこれもご縁。後日すばらしい法会であったと話を受けた。本来砂曼荼羅は破壇して砂を川に流して完結する。ここは作法通り川に流した。

 

 

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数日後の曼荼羅4人で作る

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すごい集中力

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最終前日

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完成日前日の夕方

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管長による法話

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瞑想指導

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チベット料理の夕食

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鶏肉カレーっぽいものと餃子の皮のようなものと野菜の入ったスープ

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夕食後の団欒

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チベット舞踊チャムを教えてもらう

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日本各宗派とチベット僧による開式法要


高知でチベット 1


 

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定福寺山門

高知県の大豊という山間部にある定福寺で「チベットの祈り・チベットフェスティバル」が開催された。これはチベットハウス主催で北海道から高知まで数カ所の5つの会場にして順番にトータル1ヶ月ほどにわたり順番に行われた。縁あってチベットハウスが主催する高知では初めてのイベントである。会所の定福寺の釣井師が非常にチベット仏教に熱心な方で頭が下がるほど研究されている。

今回、11名の南インドにあるタシルンポ寺院からロプサン・ツェテン管長を始めお坊さんが来られた。本当のこの寺院はチベットにある。ここは阿弥陀仏の化身であるパンチェン・ラマ法王の寺院だが猊下は中国で政府に連れ去られ行方不明である。詳しくはネットで検索してほしい。

5月19日から24日まで法王事務所日本代表のルントク氏も常駐し、法要、チャムというチベット仏教舞踊、阿弥陀仏の砂曼荼羅製作、法話、瞑想、チベット占い、チベットグッズ販売が行われる高知では初めての本格的大掛かりなチベットイベントで開会式には200名ほどの人が集まった。開会式でこの地に伝わる神楽という古式舞踊が奉納されたがチベット舞踊によく似ており不思議なつながりがあるという。また日本ではここでしか飲まれない碁石茶という発酵茶もチベットにある同様のお茶と似ているとの話。このお茶ネットでも入手可能。不思議な味だが体にいい。しかも山間の景色がまるでダラムサラなどチベット文化圏の山中のよう。タシルンポのお坊さんもダラムサラかダージリンみたいだとおっしゃられた。

このタシルンポ寺院のお坊さんはよく日本に来ており新居浜の萩生寺や東京で行われた法王のお誕生日パーティーでも顔を合わしたことがあり懐かしい。

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高知の山間部に伝わる神楽

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チベット声明

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チャム

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スタッフと共に

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チベット仏教舞踊チャム

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管長様と。素晴らし笑顔。

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休憩中

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管長からの御法話

 

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砂曼荼羅「阿弥陀仏」製作中これで砂を撒き始めて初めて3時間ほど。

 


変な日本語


東南アジアを行くと、時折変な日本語に出会う。Tシャツやステッカー、お菓子などなどにデザインされている。日本でも英語のデザインで意味もわからずTシャツにデザイン化されていると同じことであろう。特に親日のタイなら不思議な日本語の看板、商品デザインで日本語をよく見かける。タイ人の言うには特にひらがなはその形が可愛いらしい。タイのガイドブックにもこのようなデザインのお菓子などお土産にと紹介されている。

インドでは駐在中一度ガヤの服屋で「RE雨宮」というMAZDAのロータリーエンジン車の専門自動車店のロゴをそのままフルコピーすればいいものを、わざわざおそらく手書きで真似てデザインした帽子を見かけた。このロゴは日本人でもかなり自動車好きな人でないとわからない極めてマニアックなものだが、よりによってRE雨宮のロゴかと絶句したことがある。12億人のインド人でこのロゴの意味のわかる人はおそらく皆無。どうしてそれをデザインしたのか追跡調査したらおもしろいだろう。・・・・買えばよかった。

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バンコク・スワンナプーム空港のメニュー。「うなぎドン」昔話に出てきそうで食べるのに躊躇する。「カレライス牛肉で」逆におしゃれ。

 

 

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もはやカタカナですらない。タイのカンボジア近く。

 

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旭日旗が普通に使える親日

 


もうみんな家に帰ろう!


「もうみんな家に帰ろう!」一ノ瀬泰造著『地雷を踏んだらサヨウナラ』中にある戦場での名言である。小学校の高学年の作文で将来なりたい職業というのを書いた。それは「特派員」。NHKに同姓の特派員がおり時々ニュースに出ていたので親戚でもないのに親近感と海外への憧れから特派員になりたいと思っていた。いろんな経験を重ねる中で高校生時には沢田教一やロバート・キャパなどの大御所写真記者にハマる中、特に一之瀬泰造、代表著書「地雷を踏んだらサヨウナラ」というフリーランスの写真記者にはまった。その後写真を習ったりしたが当然僧侶になる道しかなかったので諦めるなかで出会ったのが「インド日本寺駐在僧」こんなことが駐在する一因だったのかもしれない。その後彼のことは浅野忠信主演で映画化もされた。地方では見れないマイナー映画なのでわざわざ東京まで見に行ったほどだ。

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一ノ瀬泰造氏の墓

近年カンボジアのアンコールワットに行く機会があった。一之瀬氏がアンコールワットの写真をとるためここを目指しポルポトに殺され、墓がシェムリアップ郊外にあることは知っていた。若き日の思い出から何気なく行く前にネットを見ていると「一之瀬泰造の墓参りと地雷博物館ツアー」というのを見つけた。こんなのがあるんだ!早速申し込んだ。

村の畑の中に彼の墓があった。このために最高の伽羅線香を供えお参りをして改めて周りを見た。普通の田舎のアジアの平和な村。かつて戦場とは思えない。

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村の子供。人懐っこい。手前二人はうちの子

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このあたりで今も見つかる地雷、不発弾。

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虐殺された方々。

その後アキ・ラー氏の地雷博物館に行った。現在も地雷を撤去する仕事をしている有名なカンボジア人だ。島田紳助氏がTVで援助したりしたので知っている方も多い。当日も日本の学生団体や平和団体がたくさん見学に来ていた。ガイドが私の顔をみて爆笑した。兄弟か?

ツアーに行った同行の日本の方は一之瀬氏は知らないと言っていた、ツアー目的は地雷博物館。しかしながら一之瀬氏のお墓にあった旅行者メモには「やっと来れた、うれしい」的な書き込みを時々されていたのは嬉しかった。

最後に。「もうみんな家に帰ろう!」彼が戦場で戦闘中に発して兵士言った有名なこの言葉。平和はこの言葉につきる。

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地雷博物館館長、アキ・ラ氏。生き別れの兄弟ではない。

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中国製旧式戦車。自国で使わなくなった古い武器を第3国に売り戦争を起こして儲けるのが大国のいつもの商売。


沈香を求めて


お寺といったら「焼香」。誰もが想像するキーワードである。このお香は奥が深く品もピンキリで100円ショップでも買えるけれども高いのはゴールドより高い。有名どころでは正倉院の伽羅木に代表される「伽羅」という香木の種類。非常に高価でお寺さんも滅多に使うことはない。伽羅の次のグレードは通常「沈香」と呼ばれる。(平たく言えば沈香の濃いのが伽羅)

原産地は東南アジアでインドアッサム地方からタイ、ベトナム、マレーシアにかけて取れて、それぞれのにおいの個性がある。使用するのは主に仏教徒とイスラム教徒。イスラム教徒は宗教的に使うよりは日本の香道のように、においを楽しむために使用する。インドであちこち探したが見つかったのはオールドデリーのお香ショップ。インド香水とお香を扱い沈香は主にアッサム産を扱っていた。かつて400gの固まりが数万円で売っていたが今や数十万円。異常な値上がりは物がなくなったためで入手が困難になりつつある。

バンコクの某地区にこの沈香店が何件も集まったエリアがある。世界各国の沈香が集まり世界中のバイヤーがくるだけあり丸太のような沈香を見たときはびっくりした。日本の販売価格の3分の1ほどだろうか。客はほとんどムスリム。日本のお香バイヤーも来ている。彼らはなぜか客のバイヤーの名刺を貼り出しているのでここから仕入れたかとすぐわかる。

カンボジアのシェムリアップに来ると沈香の香木は念珠型が多く売られている。香木を焚くものではなく念珠として加工販売している。客は主に中国人。念珠は高級アクセサリーとして購入され、時には投資対象となる。それほど沈香は数が減っているのだ。当然現地カンボジア産なので安い。これが日本に来たら数倍?の値段になるようだ。

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IMG_0729 オールドデリーのお香店

 

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バンコクのお香店

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シェムリアップの沈香念珠店

 


とっても大好きドラえもん


ドラえもんは好きですか?

私の子供たちもドラえもんは好きで世代を超えた素晴らしい漫画だと思います。アジア全般にも広がるドラえもん。タイもしかり。タイ人は特に田舎の方は貧困と県単位の移動すら許可が必要など大変でドラえもんの不思議な自由道具にまさに自分の夢を託すそうで、大人気アニメである。ドラえもんグッズは山のようにありタイのコンビニでもドラえもん特集の飴販売も見たことがある。アユタヤにいった時のガイドさんがお寺にドラえもんの祠があると案内してくれた。子供に対する願い事をしてかなったらドラえもんの人形を奉納する。

場所は変わってインド。オールドデリー。ムスリム地区の子供土産店でインドのドラえもんを見つけた。思わず買った。帰国し子供にあげるといらないと言った。だってドラえもんじゃないもん。

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ワット、ヤイチャンモンコンの祠

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オールドデリーのドラちゃん