沈香を求めて


お寺といったら「焼香」。誰もが想像するキーワードである。このお香は奥が深く品もピンキリで100円ショップでも買えるけれども高いのはゴールドより高い。有名どころでは正倉院の伽羅木に代表される「伽羅」という香木の種類。非常に高価でお寺さんも滅多に使うことはない。伽羅の次のグレードは通常「沈香」と呼ばれる。(平たく言えば沈香の濃いのが伽羅)

原産地は東南アジアでインドアッサム地方からタイ、ベトナム、マレーシアにかけて取れて、それぞれのにおいの個性がある。使用するのは主に仏教徒とイスラム教徒。イスラム教徒は宗教的に使うよりは日本の香道のように、においを楽しむために使用する。インドであちこち探したが見つかったのはオールドデリーのお香ショップ。インド香水とお香を扱い沈香は主にアッサム産を扱っていた。かつて400gの固まりが数万円で売っていたが今や数十万円。異常な値上がりは物がなくなったためで入手が困難になりつつある。

バンコクの某地区にこの沈香店が何件も集まったエリアがある。世界各国の沈香が集まり世界中のバイヤーがくるだけあり丸太のような沈香を見たときはびっくりした。日本の販売価格の3分の1ほどだろうか。客はほとんどムスリム。日本のお香バイヤーも来ている。彼らはなぜか客のバイヤーの名刺を貼り出しているのでここから仕入れたかとすぐわかる。

カンボジアのシェムリアップに来ると沈香の香木は念珠型が多く売られている。香木を焚くものではなく念珠として加工販売している。客は主に中国人。念珠は高級アクセサリーとして購入され、時には投資対象となる。それほど沈香は数が減っているのだ。当然現地カンボジア産なので安い。これが日本に来たら数倍?の値段になるようだ。

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IMG_0729 オールドデリーのお香店

 

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バンコクのお香店

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シェムリアップの沈香念珠店