もうみんな家に帰ろう!


「もうみんな家に帰ろう!」一ノ瀬泰造著『地雷を踏んだらサヨウナラ』中にある戦場での名言である。小学校の高学年の作文で将来なりたい職業というのを書いた。それは「特派員」。NHKに同姓の特派員がおり時々ニュースに出ていたので親戚でもないのに親近感と海外への憧れから特派員になりたいと思っていた。いろんな経験を重ねる中で高校生時には沢田教一やロバート・キャパなどの大御所写真記者にハマる中、特に一之瀬泰造、代表著書「地雷を踏んだらサヨウナラ」というフリーランスの写真記者にはまった。その後写真を習ったりしたが当然僧侶になる道しかなかったので諦めるなかで出会ったのが「インド日本寺駐在僧」こんなことが駐在する一因だったのかもしれない。その後彼のことは浅野忠信主演で映画化もされた。地方では見れないマイナー映画なのでわざわざ東京まで見に行ったほどだ。

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一ノ瀬泰造氏の墓

近年カンボジアのアンコールワットに行く機会があった。一之瀬氏がアンコールワットの写真をとるためここを目指しポルポトに殺され、墓がシェムリアップ郊外にあることは知っていた。若き日の思い出から何気なく行く前にネットを見ていると「一之瀬泰造の墓参りと地雷博物館ツアー」というのを見つけた。こんなのがあるんだ!早速申し込んだ。

村の畑の中に彼の墓があった。このために最高の伽羅線香を供えお参りをして改めて周りを見た。普通の田舎のアジアの平和な村。かつて戦場とは思えない。

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村の子供。人懐っこい。手前二人はうちの子

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このあたりで今も見つかる地雷、不発弾。

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虐殺された方々。

その後アキ・ラー氏の地雷博物館に行った。現在も地雷を撤去する仕事をしている有名なカンボジア人だ。島田紳助氏がTVで援助したりしたので知っている方も多い。当日も日本の学生団体や平和団体がたくさん見学に来ていた。ガイドが私の顔をみて爆笑した。兄弟か?

ツアーに行った同行の日本の方は一之瀬氏は知らないと言っていた、ツアー目的は地雷博物館。しかしながら一之瀬氏のお墓にあった旅行者メモには「やっと来れた、うれしい」的な書き込みを時々されていたのは嬉しかった。

最後に。「もうみんな家に帰ろう!」彼が戦場で戦闘中に発して兵士言った有名なこの言葉。平和はこの言葉につきる。

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地雷博物館館長、アキ・ラ氏。生き別れの兄弟ではない。

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中国製旧式戦車。自国で使わなくなった古い武器を第3国に売り戦争を起こして儲けるのが大国のいつもの商売。