仏足石と賽銭


タイのとある一般寺院にお参りしたところ、仏足石がありその上にたくさんお賽銭が置かれている。その中である参拝者が仏足石上に賽銭を立てようとしている。この仏足石は石の上に掘られていて完全に平らではないのでコインを立てるのは非常に難しい。おそらく運よく立ったら願いがもっと叶いやすくなると信じての行為だろう。

日本でも仏足石に賽銭を置いているのはあちらこちらのお寺でも見たことがある。あるお寺で住職に聞くと誰かが置き始めていつの間にか増えていったそうで住職が指導したわけではないという。おそらくタイでもお坊さんが指導したわけではなく誰かが置き始めて増えていった感がある。

浄土真宗でも興味深い話があって、本願寺の本堂に木の穴や亀裂を埋めるために職人が遊び心でいろんな形をした埋め木を使用しているがその中にハート型をしたものがあり、ここが平たく言うと流行りの「スピリチュアルスポット」になっているらしい。ある日職員が埋め木が少し浮いているので触ってみると埋め木が外れその中に賽銭がたくさん入っていたという話を聞いた。もちろん誰かが勝手にやっている事であり浄土真宗の教義からは逸脱しているが人の信仰のスタイルはかわならい。

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コインを立てようと頑張る。

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難しい。苦笑いする参拝者。

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多くの参拝者の賽銭が仏足石上にある

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香川県にあった仏足石にもたくさんの賽銭がのっていた。

西本願寺の某所にあるハート形埋め木。現在は取れないようにしてあるが誰かが色を塗った模様

ひょうたん型、普通の埋め木


Happy?


南タイでの出来事。観光寺院でない一般の少し大きめのお寺に参拝したとき、本堂などの場所がわからず駐車場をウロウロしていたらワンボックスに乗ったお坊さんに出会った。老僧と若いお坊さんが3人ほどでドアを開けて誰かを待っている様子だった。老僧は車のドアの席に座り若いお坊さんは車から出てなにやら世間話をしている。目が会うやいなや私は合掌をして挨拶した。すると老僧がニコニコしながら「Happy?」と問いかける。「幸せか?」このような言葉がごく自然に出るなんて!HelloとかHow are you?なら何度も聞いたがと思っていたら、思い出した。ブッダガヤのあるお坊さんは同じような挨拶をしてくれた。ダライ・ラマ法王も人生の目的は幸せになることにあると法話される。日本の僧侶はあまりに明快すぎて言葉にしにくい「幸せ」という言葉が自然にでるようになっていきたい。

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ブッダガヤで瞑想するビルマ僧


お布施


タイやインド、スリランカなどの上座部仏教のお布施は現金と共にお袈裟や日用品を添えてお坊さんに納められることが多い。

タイは特にお坊さんのお布施をする行為は日常的に多いので普通にスーパーや雑貨屋で袈裟やお布施用日用品セットを売っている。セットの中身はちょっとした風邪薬や歯ブラシ、歯磨き粉、石鹸また「インヘラー」という鼻口から吸ってすっきり感が味わえるタイガーバーム臭のものもよくはいっている(咳、喉ぐすりとのこと)。またタイのお坊さんは消耗品以外の日用品も袈裟と同じ色の黄色系のものがよく使われタオルから傘、バケツに至るまで黄色系のものがお布施用に売られている。日本で言うならスーパーなどでお布施袋や線香などのセットが売っている感覚。

ブッダガヤ駐在時もタイ、スリランカのお寺などでお袈裟やそのようなお布施用日用品セットをお布施でいただき、日本にはないお坊さんグッズが珍しく興味深かった。今でもバンコクのスーパーに行けば必ずこのコーナーを見て面白い物を探してしまう。

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お寺にも事前に用意されたお布施セットが売られている。タイ某所

 

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バンコクのスーパーにあるお布施コーナー

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スーパーでお袈裟販売

 

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お布施日用品セット。洗剤や歯ブラシや裁縫道具、簡単な薬が入っている入れているバケツまで黄色系



インド旅行にいけば水道水の使用はご法度で、中には歯磨きもミネラルウォーターを進めるガイドもいる。大げさかと思う方もいると思うが本当に歯磨きで腹を壊すこともある。なにせ生野菜についた水で腹の調子が悪くなることもある。

ブッダガヤの日本寺の蛇口から出る水は井戸水(井戸によって飲めないのもある)だったので普通に使って問題なかった。とは言っても入寺始めはお腹も壊す。大先輩からは体がインドに慣れる上で3つの大きくお腹を壊す段階があり3週間、3ヶ月、3年で3つの段階(寝込むほどの高熱や下痢)があり3年後はインド人化すると教えられた。実際私も3週間と3ヶ月の段階は味わった。

数ヶ月もするとだんだん慣れてお寺以外でも他国の寺院法要でお斎(法事の食事)に呼ばれたときはそのお寺の水を普通に飲めるようになり、そのうちインド人と同じように普通に飲めるようになった。ただその地区の水に慣れただけで、町を離れると水は変わる。ちなみにインド人でも旅行に行ったり他の地方に行く時は気を使いミネラルウォーターを飲むことが多い。安全かわからない水の感覚は私たちと同じ。

ちなみに駐在を終えて日本に帰って水道水を飲んだら下痢をした。

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一般的なインドの井戸 これは仏教青年会が寄贈した井戸


カジャ!カジャ!


インドの聖地巡礼でナーランダ大学跡に行った方ならおそらく食べているナーランダの銘菓「カジャ」。ウエハース状の甘い揚げ菓子で非常に人気のあるお菓子だ。ナーランダ近郊の主要道路沿いにこれを売る店がかたまって数十あり、ここの名物として観光バスや地元の人でいつもいっぱいである。

さてインド人は冗談が好きでこのカジャに関する冗談をひとつ。

少し頭の弱い男がいたそうな。彼がカジャ店の前で「これは何?」とカジャを指差し質問した。店の主人は面倒くさそうに「カジャ!カジャ!」(カジャだよカジャ!)と答えると男はそのカジャをとり勝手に食べだした。「何をするんだ」怒る主人。男は言った。「だってカジャ!カジャ!といったではないか」という冗談。(ヒンディーで「カジャ」とは「食べろ」と同じ意味)

これをナーランダや近郊ラジギールの人にこの冗談を話すと何回話しても爆笑される。外国人が吉本ギャグのベタな冗談を言ったら日本人が笑うみたいな感じ。

カジャの甘さが苦手の方は塩味のカジャある。私はこっちの方が好き。

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ナーランダのカジャ屋

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カジャを作る職人


佛旗


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インドで売られて売る佛旗バッジと高知県仏教青年会章佛旗バッジ

お寺でいろんな方の質問があるが最も多い質問のひとつにお寺の境内ではためく旗。あの5色の旗は何なのか。チベット?弘願寺オリジナル?いろんな解釈があったが、国際的な佛教の旗「佛旗」ですよというとそのようなものがあったのかとびっくりされる。

日本では佛旗の知名度は低いが仏教国であるアジア諸国は寺院行けば普通に見ることができる。特にスリランカなどは街中にはためいている。アジアの仏具屋には万国旗のようにして使う小さい佛旗まで売られている。最近では東京浅草寺の仲見世でも万国旗のように使用されている。日本の寺ではこの佛旗を法要時以外でつねに立てている寺院はあまりないし、お寺は誰が見ても仏教とわかるので立てる必要もないのかもしれない。

佛旗は1885年に基本デザインがスリランカで作られて1950年にスリランカで世界仏教徒連盟の第一回世界仏教徒会議で正式に国際佛旗となった。

「青」(「緑」の場合もある)は仏陀の頭髪の色で「定根」をあらわす。
「黄」は仏陀の身体の色で「金剛」をあらわす。
「赤」は仏陀の血液の色で「精進」をあらわす。
「白」は仏陀の歯の色で「清浄」をあらわす。
「樺」(日本は「紫」の場合がある)は仏陀の袈裟の色で「忍辱」をあらわす。
残りの1色は「輝き」をあらわし旗の6列目には独自の色は配されず、他の5色を上から順に並べた縞模様で表現される。

京都、西本願寺の法要では山門前にとんでもなく大きい佛旗が掲揚される。一見の価値あり。

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佛旗 弘願寺お花祭りでのシーン

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佛旗でデザインの高知県仏教青年会会員証。この佛旗を模したピンバッジをダライ・ラマ法王猊下につけていただいた。


アユヤタのガイドの告白


アユタヤの観光地で木の根に仏像の頭が自然にはまっている不思議な場所は非常に有名で、ここの写真はタイのアユタヤの代名詞的存在である。

昔、アユタヤであるガイドについてもらった。タイ人は人生で一度は出家してお坊さんになる習慣があるが短期間のみで還俗する方が多い。ガイドは仏教に詳しくレアな質問にもスラスラ答えるので聞いてみると彼はやはり元僧侶で7、8年僧侶歴があった方であった。ブッダガヤでもタイ人僧侶と付き合いがあったが、その身のこなしと話の内容が間違いなく元僧侶感を出す振る舞いだった。彼にこのブッダの頭の場所に案内された時、彼はこれは奇跡でこうなったのではなく、転がっていた仏像の頭を人力で根元において、こういう形になったのだ。自然にこうなるとはないとガイドをしてくれた。普通のガイドなら多分「ブッダの不思議な力で奇跡的にこうなったのだ!」とガイドするのではないか。さすが元僧侶。仏教には奇跡はない。

先日、南タイのお寺で今から、なんちゃってアユタヤを目指すかのごとくの木がお寺の境内にあった。何ともほほえましい。

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アユタヤの仏像

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南タイのあと数年でなんちゃってアユタヤ

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これは置きすぎ

 


お香の掘り出し物


バンコクの店は大体花屋なら花屋、仏具屋なら仏具屋街と同じ店が集まっている。小さいショップが集まるショッピングモールも大体同じ感じであるが時々全くジャンルの違う店がポツンとあったりしてびっくりする。

2年ほど前バンコク北部にあるとある大型ショッピングモール内で偶然ポツンとある小さいお香屋を見つけた。バンコクで販売されるお香は加工された線香かオリジナルのままの香木だがこの店には珍しく日本で焼香に使う香木を小さく刻んだ香を売っていた。はじめ種類がわからなかったが「沈香」と漢字で書かれたメモがあちこちに貼られており、試しに炊いてもらうと間違いなく沈香。早速店主と値段交渉を始める。「沈香」とはお香の中でも最高級の部類に入る素晴らしい香りのお香。この香の最高級品「伽羅」は現在日本では「金」の価格の数倍するものもある。

さてこの店のお香はどうもこの刻香を線香などに加工する原料として売っているようで、試しに2袋だけ購入し帰国後本堂で使用したがこれがいい。香りの濃さは少ないが、ちょうど法事でたくさんの方が本堂で焼香すると非常にいい香りになる。

その後、訪泰のたびにこの店をこのショッピングモールで何回もこの店を探したが見つからない。このショッピングモールは本当に大きく碁盤の目になっており、気をぬくとすぐさま迷うスケールである。結局見つけられず潰れたと諦めていたが先日、2年ぶりに自分が探していたエリアとは全く違うフロアで再会した。やはり同じ上品を売っていた。店主とやっと再会できたなどと話し込みながら香を入手した。

今、本堂で皆さんが使う弘願寺の焼香はこの沈香。いい香を常用すると焼香の香りが染みつき素晴らしい香りの室内になっていく。

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刻香状の沈香。横にあるのはカンボジア沈香の香木

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上に「沈香」のメモ。

 


エラワン廟テロ事件


バンコクのエラワン廟がテロの標的にされた。たくさんの人が亡くなり多くの方が怪我をされた。

バンコクでは幹線道路沿いにあるのでよく前を通ったり訪れたことも何度もあった。現世利益の神様で非常によく効くということでアジアを中心にたくさんのお参りがある。

先日バンコクに立ち寄る用事があったので追悼のお参りに行った。ニュースの通りTNT爆弾にベアリングの玉が仕込まれたとの報道があったが、数十メートル向かいのルイヴィトン・バンコク支店のガラスにもその弾痕あとや廟内のいたるところにその弾痕があった。本尊のブラフマー神のお顔にも当たり当日は白い布で覆い補修されてた。生身の人間ならひとたまりもない。

南無阿弥陀仏。

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エラワン廟本尊は修復中

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爆心地付近も修復中

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願いが叶ったらタイ舞踊を奉納する

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お参り中

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ベアリングボールの被弾痕

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被弾痕


ウィークエンドマーケット


バンコクの名所で土日しか空いていない場所がある。東南アジア最大規模の市場「ウィークエンドマーケット」。店舗数1万5千以上、簡単に作られたトタン葺の倉庫のような建物に、似たような路地が碁盤の目のようになっている。外と内の壁はないオープンなのでエアコンはない。5月や6月の酷暑時期に水分補給も暑さ対策もしないで行くと一発で熱中症になる。またそこに何万人の買い物客が集う。あまりの人ごみも圧倒される。ほんとうに想像を超える広大なマーケットなので初めて行った時は本当に迷った。今でもしっかり地図を見ないとたちまちに迷ってしまう。

初めて行った時は20年ほど前でいろんな掘り出し物があった。実際ここで買った物をネットオークションで売り、旅行代の数倍を稼いだツワモノを知っている。今でも日本のアジアン雑貨店が仕入れをしているのを見たことがあるが、残念ながら今はインターネットが普及し、何がどれだけの価値があるのか誰でもわかる時代が来たので、もう本当の掘り出し物を見つけるのは難しいが、判別の難しい骨董系は目力さえあればまだ入る余地がある。

初めて行くとその規模と人ごみに本当に圧倒されるが、その物量と独特の雰囲気はバンコク市内では是非とも訪れたい名所である。ただし土日のみ。ちなみに平日しか滞在できないという方には隣接するJJモールという大型ショッピングセンターがあり、ウィークエンドマーケットほどディープではないが同じような小綺麗な店がかなりの量が入っているのでそれっぽい感じが味わえる。

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ひとつの路地

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人でごった返す市場

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行き違いが困難な場合も