ダブラ


日本寺駐在中に仏教関係以外で唯一本格的に習ったのがインドの太鼓「タブラ」。インド音楽といえばシタールかタブラかというメジャーな楽器である。日本寺生活も1年ほどが経ち何かインドっぽいものを身につけようかと考えたのがこの「タブラ」。シタールはかさばるからタブラならばコンパクトで簡単そうというのがこれを選んだ動機。それまでドラム関係は触ったことすらなかったが三線はかじっていたので何とかなると思った。

スリランカ寺の子供会の発表会の補佐で、タブラをたたいていたアジャイ・クマールさんに初めて会った。日本寺従業員に仲介に入ってもらい先生になっていただいた。月謝2000RS土日と忙しい時期以外ほぼ毎日。日本寺の休み時間に1時間教えてもらうことになった。タブラはバーヤンという低音を出す太鼓とタブラという高音を出す太鼓を両手でたたきその音のミックスによって音楽となる。習い始めたら音符ではなく太鼓のたたく場所によって「Dha Dhin Dhin Dha  Dha Dhin Dhin Dha・・・」という三線の工工四のような言葉が音符であった。しかし簡単どころか始めまったく音が出せない。特にバーヤンの低音のブーンという手の平で滑らすように音を出すことが数ヶ月できなかった。またパタパタと高速で指ではたくタブラ独特の音は最後まで上手にたたけなかった。途中何度もやめようかとも思ったが帰国まで7ヶ月間習った。とはいえこの先生との縁により日本寺で2回のインドクラシックコンサートを開くことが出来、なによりもインドクラシックを聞き流すのではなく内容や構成、どこがうまい技なのかが分かるようになったのがうれしかった。帰国して高知県内のシタールをする方と知り合い八十八カ所札所の高知竹林寺さんのイベントや県文化ホールなどで数回コンサートで共演したりした。

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アジャイ・クマール氏。日本寺の国際仏教徒結集という学会の出し物の一つにて

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初めての外国人弟子ということもあり、約一時間みっちり仕込まれる

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アジャイ氏の家にて横は兄ビジャイ・クマール氏彼はアジャイ氏よりタブラーがうまい。アジャイ氏休みの時はたまに習った。

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ブッダガヤにある彼の教室兼

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兄ビジャイ・クマール氏のセッション

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98年大晦日に開かれた日本寺インドクラシックコンサート。

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たくさんのお客さんが来てくれた。

 

 


国境マーケット


タイ、カンボジア国境アヤンプラテートのロンクルア国境市場にいった。かつてカンボジア内戦のとき大量の難民が押し寄せた地である。現在は東南アジア最大のマーケットになっているが売っているのがすごい。一番目をひくのは古着の山。話によると世界中から集まる救援物資の横流しとのこと。このような店が数百はある。英語圏、欧州らしいものも多いが韓国語がプリントされた作業着や服が目立つ。中古チマチョゴリまで販売している店まである。それらを補修したものをタイの業者が買って行く。かつて数十万円のビンテージジーンズが中古衣料に含まれており二束三文で売られていた時代もあったとか。あとは新品の衣服、バッグや靴など衣料品を中心にどういうルートで入るか分からないがバンコクの半額以下。あまりにも広いので原付バイクを借りて廻るがそれでも広すぎる。5時間ほぼ休みなしで見たが廻りきれたかどうか分からない。マーケットを外れて周辺に足をのばした。舗装が完全じゃない赤土の道を進むと靴の山が見えた。バラックのような作業場が数十ありその一軒一軒に大量の中古靴が山のように積まれ、それを一足一足手作業で洗っている人がそこら中にいる。靴を石けんで洗うときの独特なにおいが立ちこめる。ここは私のような観光客が来る場所じゃない。すぐさま転進しマーケットの方に戻った。ブログ用に写真を撮ろうと思ったが撮れる雰囲気ではなかった。帰国後調べるとカンボジアから国境を超えて働いている人々であった。おそらく格安で働かされているのであろう。その他マーケットではここで書くことを憚れる状況で働いている方もいた。

マーケットでランプ屋をみつけた。私の趣味のキャンプでつかえる灯油ランタンを見つけて交渉していたら店の奥にフジツボがついた古い陶器がたくさん置かれていた。難破船から引き上げた物を売っているという。いい形の平茶碗を見つけた。思い出にこれを一つ買った。

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この先に見えるのが国境ゲート。

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国境横にあるマーケット群入り口

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中古布団店・・売ってるのかなあ捨ててるのかなあ?

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マーケットの様子。

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茶碗や壷。主人の話では200年前のもの ?

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マーケットのほんの一画


マサラムービー


インド駐在中映画を見たのは一回だけ。カルカッタでなんとあの米国映画「タイタニック」を見た。カルカッタに日本人団体用食料を買い出しにいった時、自由な時間が出来て、映画でもということになり、ある程度言葉がわかるというのでこれを選択した。

ブッダガヤは映画館もないので映画自体は見なかったがバザールで流れる音楽はほぼその時の流行りのインド映画音楽だったのでカセットはよく買った。1998年。シャールクカーン主演「デルト、パガラ、ヘ」がこの時の最も流行りで、このカセットを買った時の思い出が面白い。ブッダガヤ近郊ガヤ市のカセット屋にてこの映画の曲名が分からなかったのでニュアンスで伝えようと、店主にちょっと聞いてくれといい、私が鼻歌でこの歌を店先で「♪フフフーン」と歌って聞かすと店主は「いい歌だと思うが売れるかは難しい問題だ」と私がこの「♪フフフーン」を新曲として売れないかといっていると勘違い。ちがうちがう!分かったときにはお互い大爆笑した思い出がある。しかしお互い大丈夫か?

マサラムービー。「スラムドック$ミリオネア」や、つい最近の「めぐり逢わせのお弁当」なんか私にとって完全に今のハリウッドを抜いている。

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日本寺の僧房。個室で5畳ほど。トイレ、シャワーは共同。ここで音楽を聴いた。


みんないい人


先日バンコクにいったとき、前々から気になっているお寺に参拝した。高架列車BTSの南東のはずれに進むとブダガヤ大塔を模した大きい塔が車窓から見える。ガイドブックにあるような観光寺院ではない。名前すら分からないので、とりあえず建っている方向に歩いて行くがなかなか道が分からないので携帯でお寺の遠景写真をとって、その写真をバイクタクシーに見せてここにいきたいという作戦をとった。昔なら出来なかった技である。すぐに分かってくれ連れて行ってくれた。料金が分からないので40B出すと20Bしか受け取らない。いい人だ。こんなことはタイに来るようになって初めての経験である。お寺は歩いて瞑想する信者さんがちらほら、瞑想センターのようなお寺。私が外国人とわかった信者さんが塔を案内してくれるという。ありがたい。最上階にはスリランカからいただいた仏舎利がまつられていた。お参りをして話を聞くと瞑想で有名な高僧の建てたお寺で、今住職はカナダで布教しているとか。お礼をいいお寺を出た。さてこんどは帰り道が分からない。お寺の前に乗り合いトラックが止まっていたのでBTS駅まで行くというので乗る。しまった!肝心のお寺の名前を聞いてない。ドライバーに聞くと 「ワット ダンモンコン」と教えてくれた。降りる場所が分からないので乗っていると同乗の客からここだここだと教えてくれる。いい人だ。乗り合いトラックの料金も分からないので15Bはらうと5B返してくれた。みんないい人だ。

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塔全景

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迷って遠景からとったのがこれ。これをバイクタクシーに見せた。

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瞑想センターのような建物だった。

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仏舎利が塔の最上階にあった。

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近代的なブッダガヤ大塔のよう