レムジュース、レムジュース!


インドで必ず観光客が心を痛めるには、「物乞い」であろう。あげるべきかあげないべきか。本当の田舎では見ることはないが観光地や都市では何人もの彼らからの要求に胃を痛めることになる。

いろんな意見がある。あげれば癖になって働かなくなるとか、その行為自体が仕事になっており中に実入りがよいという理由ではわざと障害者にされて街角に立たされるケースは映画「スラムドック$ミリオネア」でも描かれている。

駐在したての頃かなり戸惑った。大塔にお参りに行けば「レムジュース!レムジュース!」子供たちは声を上げて手を差し伸べる。「あめ玉くれ」と言っているらしい。そのうち観光客でないことがわかってほとんど相手にされなくなったが。しかしあげる方も考えてあげないと、大人数が押し寄せてパニックになったり、もらった人がもらってない人にやっかまれたりとかあげる方も気を使わなければならないことがわかって来た。

私はこれに関して2つの感動したことがある。高知県仏教青年会で団体参拝したおりたくさんの子供の彼らが来たのを見て、いつもは全く目立たないインドは初めてで、このように集られるのも初めてのお坊さんがとっさに近くの菓子屋からたくさんのビスケットを買って来て全員に配り始めるのを見たときだ。お金でなく子供の喜ぶビスケットを整列させ一枚一枚手渡しされた。その場にいた会員はすぐさま彼の行為を賞賛しながら手伝った。子供たちは不平も言わず喜んで手を振って分かれた。

もう一つは駐在僧の先輩が彼らの中にもしかしたら菩薩の化身がいるかもしれないその供養のために時折、この人だ!というときあげるのだと。私は今でもこれを実践している。

世の中安穏なれ

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前正覚山にて