B.R.アンベードカル


インドで一般の仏教寺院や門前土産物屋で大橋巨泉のようなおじさんの写真や像を見ることがある。B.R.アンベードカル氏。

仏教徒は1%くらいといわれている。そしてここには2つの大きな流れがある。一つは少数ではあるがベンガル地方からビルマ国境付近を中心とした伝統的な上座部仏教。そしてインド独立の際、法務大臣としてインド法律草案作成者である政治家B.R.アンベードカル氏が行ったカースト制度の不可触民解放運動として仏教に改宗したことに始まる「新仏教運動」※1と呼ばれる2つの流れである。「新仏教運動」は先に紹介した佐々井秀嶺師に引き継がれ非常に大きな流れとなっている。このアンベードカル氏は独立を支えた方でもあるので宗教を問わずして人気があるが、特にインド仏教徒には菩薩として偶像崇拝されるほど人気がある。(チベット仏教は除く)

98年2月末インドのシリコンバレー・バンガロールに日本寺にパソコン導入のため視察出張の命を受けた。休暇もかねており約3週間旅行。ムンバイ・バンガロール・ケラーラを周る予定を組んだ。アンベードカル氏はムンバイに住まいをおいていた、出発前ブッダガヤで知り合ったムンバイのお坊さんをたよりにアンベードカル氏旧跡巡りをお願いしていた。指定されたアンベードカル・ガンジという場所の大学に行くとお坊さんは留守だったがTV関係者と大学の先生がお世話してくれた。

いきなり連れて行ってくれたのはアンベードカルの家。しかもいきなりの直接訪問。ノックして若い女性が出てお孫さんかお手伝いさんか分からないが「急に来られても無理!」と門前払い。当然。その後有名なアンベードカル著作「ブッダとそのダンマ」の印刷工場へ。歴史を感じる印刷所でいまは普通のノートとかを印刷しているとか。そこら中にあの本を作ったアルファベットの印刷用活字が転がる。

山際素男著「ブッダとそのダンマ」で彼のことを知ることが出来る。

※1「新仏教運動」一般にこの表現をしているが仏教徒に新しいも古いも無い。特に「新仏教徒」と彼らをくくることは適切な言葉では無い。「仏教復興運動」ともいう。

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アンベードカル宅

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インドの街角にあるアンベードカル像。ちょっとした町なら見つけることができる。

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印刷工場。作業場にも彼の写真が掲げられている。

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陶器市で見つけたアンベードカル像。 インド仏教徒は仏像の横に置くことが多い。

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アンベードカルグッズ