ブッダガヤのある師


ブッダガヤで友人になったお坊さんが何人かいるが帰国後彼らは何をしているのだろうと思うことがある。その中の一人にインド人僧侶A師がいる。私よりひとまわり以上年上の感じのいいインド人のお坊さんであった。あまり仏教徒のいない某州出身というめずらしい方で、ブッダガヤで無料の学校を運営されていた。日本語はできなかったがインド近隣の数カ国語を自由に操り、人柄が非常に良い方で台湾や各国の支援を受けている方だった。インド人僧侶は結構クセがあったのでクセのない彼は誰からも慕われ一目置かれる存在であった。また立ち振る舞いが非常綺麗で流れるような動作は、たぶんお釈迦様もこんな感じだったのかなあと思うくらい動作自体に安定感があり尊敬できる方であった。駐在の初期からブッダガヤ大塔のお参りや各国寺院で行われる法要でもしばしば出会いおはなしをした。

ある日ブッダガヤの大行事の第一回ブッダマハットソウ(仏教大祭)でブッダガヤの各国寺院の僧侶がビハール州の首都パトナの博物館にあるお釈迦様のお骨「仏舎利」をブッダガヤに運んで、この大祭をすることになった。日本寺からは私が行くことになり、パトナのバンガローで師と同室となった。

夜、上座部僧侶は夕食を取らないので、私は気を使って同じように今夜の夕食は抜きにしようと思っていたら、大乗仏教のあなたはどうぞ気にすることなくお食べなさいという。注文を取ろうとしたら私はスープをいただくといって野菜スープを注文された。上座部仏教僧は正午以降、固形の食事は戒律により食べれないが果汁や牛乳などの固形物以外は可能である。しかし非常に真面目な方だったのでおそらく何も口にしないと思っていたのに、また野菜スープという微妙な選択をした師のそのおおらかさに逆に感動した。(もちろんインドの野菜スープは固形物は溶けている)夕食後は瞑想のことや仏教の話を遅くまで話をした。

その後ブッダガヤに行くたびに道端でお会いして久しぶりですねなどと挨拶をするが何せ時間がなくゆっくり話ができないのが残念である。

IMG_3191

師の学校

IMG_3193

台湾の援助グループと学生たち

IMG_3190

授業風景

画像 019

数年前にあった時のスナップ