ガンジス河の向う側


ヒンドゥー教最大の聖地ベナレスは最もインドらしい観光地であり説明の必要もないだろう。ここの街はガンジス川を中心として西側と東側の両対岸に土地があるが西側にしか建物はなく東側には何も建っていない。藤原新也氏のベナレスの写真集『メメントモリ』で有名になったようにこの東側は不浄の地であるから建物が建てられないのだという。この対岸に渡れば川岸には何かの遺体が打ち上げられていて少々どっきりすることがある。時に人の遺体も上がる(事故ではなく火葬されず流された遺体)インド人は屍体は広い意味で不浄なものとして考えているので、それがある場所はあらかじめ決めた不浄の地ではなく自ずと不浄の地になってしまったというか・・さて持論をここから始める。

ヒンドゥー教徒のベナレスの1日の最大のイベントは日の出にある。日の出が礼拝の対象でありベナレスらしい時間だ。異教徒から見てもありがたい時間でもある。この太陽が昇るのが当然東側であるので東側川岸には建物がない。いやもっと言うと建物を作ってはこの地平線から昇る太陽は拝めない。不浄の地だから建物を建てないのではなく、この日の出が拝めないから街を作らないのではないか。まあ一応この辺は不浄の地ということにして、本当のところは日の出のために大きい建物建てない。それが証拠にベナレスの東側の上流の川岸に日の出の邪魔にならない場所にはマハラジャの非常に立派な城がある。当然マハラジャは決して不浄の地には城は作らない。下流も鉄道の橋を過ぎ日の出の鑑賞に邪魔にならない場所までいけば川岸に街はある。

ともかくベナレスの日の出は美しい。全くの宗教的な日の出。日の出と共に山ほどあるお寺の鐘とヒンドゥー僧侶の読経が重なりそれはそれは素晴らしい雰囲気になる。仏教僧侶であるが心を打たれる時間である。この数キロ内陸に入ったところにお釈迦様が初めて法を説いた初転法輪の聖地「サールナート」がある。

 

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早朝まだ暗いうちからたくさんの人

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日の出を待つ

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日の出を前に沐浴する人

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ベナレスのあさぼらけ

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ベナレスの日の出

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ベナレスの西側。最も有名なマニカルニカーガート。日の出にはたくさんの参拝者がいる。

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東側の川岸。動物や火葬にされなかった人の遺体が上がることもある。

 

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ベナレスではこんな船をチャーターする。