日本寺での勤行


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勤行本の一部

お坊さんはみんな般若心経を称えると思う方もいると思うが浄土真宗はこれを勤めない。私のいた日本寺は超宗派のお寺だからそこで勤められるお経はだいたいすべての宗派で勤められる無難なお経によって構成されていた。勤められるお経はまず香偈などいくつかの偈文があり般若心経と観音経がメインでその後舎利礼文、回向の偈文が称えられた(お経の構成には約束事があって食事でいう前菜、メインディッシュ、デザートのような決まり事がある)が、日本仏教で絶対他力という他の宗派にはない教学の浄土真宗では称えないお経が多く苦労した。朝5時と夕方5時の毎日勤めるから入山2ヶ月くらいでなんとかついて行けるようになったが導師(平たく言うとメインボーカル)を勤めることは出来なかった。1年ほどして駐在僧が私しかいない期間がありこの時は間違えやしないかと緊張した。何事も続ければ出来るもので最後はだいたい暗唱できるようになった。ところが帰国したら超宗派の高知県仏教青年会などで般若心経を使うくらいでその他の経は全く使わないのでほぼ忘れてしまった。

先日京都清水寺で千日詣りのご縁に会った。本堂でお参りしているとお経が聞こえて来た。瞬間お経の声がコンセントのように私の脳につながった。あっ!観音経だ!日本寺のお勤めがよみがえり思わず手を合わした。例えば高知の人が東京の街度の雑踏でどこからともなく聞こえてきた土佐弁がシャープに耳に入ってくるように、日本寺の縁がなければスルーするはずの観音経がわかることがなにげにありがたかった。

念彼観音力。

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日本寺内陣

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こちらでお勤め

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